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2012年01月19日

目覚めよ、漢!

120119.jpg去年の暮れあたりから元気がありません。普通ならどんなに調子が悪くても2〜3日周期でお腹の下から突き上げてくる衝動があるのですが、最近はナマズのヒゲがピクリと動く程度。そんな自分を受け入れることができず、一人精を出しています。
「奮い立て、オレの中の大和魂よ!」と自分に喝を入れるために観たのが、大橋未久チャンではなく『スーパーフライ』。この映画はドラッグディーラーが自由を求めてハーレム脱出を企てるというブラックムービーの代表作なんですが、完成度はさておき、とにかく主人公のプリーストがイカすんです!
登場シーンからいきりスッポンポンで美女(実際は微妙)を“抱いて”いるのですからたまりません。どうでもいいことかもしれませんが、この時のプリーストの股の広げようと局部隠しのシーツは絶妙です。
中盤にもお風呂でガールフレンドを“抱く”シーンがあるのですが、これが胸焼けするくらい濃厚。黒光りするすべすべお肌、ボリューム満点のヒップ、チロチロ動く舌…あんまり書くとまたまた女性読者が減るのでやめておきますが、途中からエロというより、きれいな馬の交尾を見ている気分になってきます。
エロの他にこの作品の大きな魅力になっているのがファッションや車などのアイテム。錦ゴイのようなコートを着こなし、無駄にデカいキャデラックを乗り回すプリーストのカッコいいこと! これぞ、漢(おとこ)です!
でも、プリーストと銭湯で出くわしたら絶対に心もカラダも萎縮するのは間違いありません。そう思うと元気のない吾輩の小姓が可愛く思えてきました。

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2011年10月13日

レイア姫を見たら考えざるを得ない美の基準

111013.jpg海外の女性アーティストに対する‘歌姫’というフレーズに違和感をおぼえたことはありませんか?
悪気はなくても ‘あか抜けない田舎のお姉チャンじゃね?’とか、‘クラスで煙たがられている気の強いオンナっぽい’といったイメージが頭をよぎった人は多いはず。
しかしこれは、強引な売り文句をこじつけたのでなく、美人の基準が日本と西洋ではちがう可能生も考えられます。
最近ブルーレイでBOXセットが発売された『スターウォーズ』のレイア姫を見ると、その思いはさらに強くなります。日本人の感覚に従えば、まずないキャスティング。みうらじゅんさんも『ブルータス』の対談でいってましたが、あのレイア姫をソロとルークが取合うことに、今も昔も醒めてしまいます。
でも、よくよく考えると、『スパイダーマン』や新『バットマン』シリーズなど、ハリウッドのヒット作のヒロインって、みんな同じ感じなんですよね。
やっぱり感性の違いなのか? 吾輩はもう一歩踏み込んで考えました。意図的に‘これはアカンやろ’というキャスティングにして、観客に違和感というかほとんど反感に近い感情を持たせることが、ヒット作を生むハリウッドのギミックではないのかと。しかもそれは、ノーパンしゃぶしゃぶやノーパン牛丼、ランジェリーたこ焼きといった、日本が誇る文化を参考にしているのではないかと。
そういったお店に行った人の感想を聞くと、その多くが‘食欲と性欲を同時に満たすのはムリ!’というものです。吾輩は一度も行ったことがないので実体験として伝えることができないのですが、いわれてみると説得力のある意見です。いや、行ったことはありませんが、そうに違いありません!
この心理を映画と音楽に当てはめると、こわいほどスッポリとハマるではありませんか。とびっきりの美人をヒロインにすれば、肝心の主人公やストーリーがかすんでしまう。絶世の美人が熱唱すればメロディなんてそっちのけで見とれてしまう。二兎追う者は一兎も得ず。おいしい要素てんこ盛りに見えるハリウッドもメジャーレーベルも、実はギリギリのところで勝負をしているのです。ホントの美人はストーリーや音楽性なんてどうでもいい、C級作品で堪能するのが正しいのかもしれません。
それにしても、レイア姫にあのキャスティングはないわ。

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2011年09月03日

『ピラニア3D』でエロを考える

110903.jpgこんなことがあっていいのでしょうか?
というのは人食いピラニアによる惨劇ではなく、アメリカンガールズが胸やおしりをフリフリしまくる乱痴気騒ぎ、いや、パラダイスのような光景のことです。これがホントなら、ちょっとくらいピラニアに噛まれてもいいから行ってみたいものです。
いやぁ、こんなに‘オッパイ’や‘ケツ’といった品のない言葉と映像がたれ流される映画って最近観たことありません。グッショブ!(個人的にはケリー・ブルックちゃんがタイプです)
それにしても、どうしてアメリカの若い女性はオッパイやケツを振るのか?
それは間違いなく、圧倒的なボリュームのせいです。あれだけデカけりゃ、男としては‘ちょっとフリフリしてみ’と言いたくなるのが自然の摂理。
それにくわえ、湿度が低く、絵の具で塗ったような青い空が広がる天気の影響も大きい。日本みたいに湿度が高い気候だと‘ちょっと暑さでバテた’という言い訳も通用しますが、爽やかな ‘どピーカン’のもとではそうはいきません。それに、さんさんとふり注ぐ太陽光が最高のスポットライトの役割を果たし、彼女たちもその気になってしまうのです。
このようにアメリカにはオッパイとケツを振る最高の条件が整っており、その法則通り彼女たちは毎日フリフリしているワケですが、エロさは皆無。ほとんどチアダンスに近い感覚です。青空の下で自ら‘見てみて〜’と騒ぐ人に隠すべきものなどあるはずもなく、「恥じらい」の裏返しであるエロスがないのは当たり前。
それに比べ、ジメジメして狭く暗い住宅で暮らす日本はエロを培養するのにもってこいの環境といえるでしょう。
AVでの、ただひたすら行為をフューチャーする洋モノと、シチュエーションを大切にする和モノとの違いは、このへんの環境の差から生まれるのだと思います。
吾輩は、牛丼と同じくらいハンバーガーが好きなように、フリフリもジメジメエロスも大好きです。

どうでもいいと思いますが一応本編の感想を書くと、過去のシリーズ作品だけでなく、いろいろなアニマルパニックものを意識したつくりになっていておもしろい。ノリとしては『スターシップ・トゥルーパーズ』に近いんじゃないでしょうか。ゴア度、かなり高いです。
オフィシャルサイトもナイスです!

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2011年07月14日

Uターン不能

110714.jpg仕事の打ち合わせに行くためクルマに乗せてもらっていたら、高速道路でタイヤがパンク。緊急停車してスペアタイヤに替えることに。(吾輩は安全を確保するため、ボォーッと作業を見つめる見守り隊を担当)
高速道路で緊急停車するのはこれで2度目。前は大学生の時で、海へ行く途中、運転していた友だちが突然でクルマを止めて外に出るので、窓を開けて「クルマ、調子悪いの?」と訊いたところ、 その男は‘もう、あかん!’と叫ぶと同時にしゃがみ込み、ウンコをひり出したのです。腹痛でゆがむ顔がちょうど真横にきて、こっちも腹が痛くなるほど大爆笑。ちなみにみんなの前で下痢便をした友だちは、緊急事態にも関わらず最低限のマナーは心得ており、新聞紙の上で用を足していました。
さて、クルマのトラブルといえば、オリバー・ストーンの最高作で、クライムムービーの中でも屈指の傑作だと勝手に決めつけている『Uターン』。
借金まみれでろくでなしのボビーが故障した愛車ムスタングと共に迷い込んだのは、住民みんなが狂っている砂漠の町スペリア。
最初はクルマを修理するだけのつもりだったのに、フェロモンむんむんの人妻にちょっかいを出したせいでズブズブとUターンできない事態に。焼けつくような暑さと不条理な出来事の数々、迫り来る借金取りの恐怖で、ボビーだけでなく観ているこっちの頭もバースト寸前。イカれた自動車修理工とのやりとりは、こっちまでスパナを振り下ろしたくなるほど。
で、やっとこさ切り抜けたと思ったら…。いやはや、クルマのメンテナンスはこまめにやっておくものです。

この作品、本編もナイスですが、とにかくオープニングがカッコいい。個人的には、『Uターン』『セブン』『ビッグ・リボウスキー』が、90年代のオープニングベスト3です。

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2011年06月20日

エンカンタドール、マチェ〜テ!

110620.jpgタイトルに「キッチュ」とつけておきながら今までこの映画を放置していたことに、自分でも‘ダメだなぁ’とガッカリしています。『プラネット・テラー in グラインドハウス』でのフェイク予告編を見た時に取り上げるのが正解だったのですが見事にタイミングを逸し、さらに本編の劇場公開もスルーしてしまい、DVDレンタルでようやく観賞したという有様です。
正直なところ、度が過ぎたキッチュさと主演のダニー・トレホの顔を2時間観るのはちょっとキツいなぁというのが、その理由。仕事の帰りに路地でばったりトレホに出会ったら、その晩は夜尿でしょう。
そんなワケで、万が一スカタンムービーだったとしてもダメージを最小限におさえるために、週末の夜中に上映。フェイクの予告編通りエロ・グロ・ナンセンスのC級アクション、ロドリゲス節炸裂といった趣で予想以上におもしろい。しかも女捜査官を演じるジェシカ・アルバが悩殺シャワーシーンを披露してくれているという大特典つき!(ただし、大事なところはご開帳ならず)こんな美人なら吾輩も追跡されまくりたい。どういうワケか、彼女とラブシーンなんぞをしでかすトレホがマジ、うらやましい。
ここまで褒めといて何ですが、観終わった感想は、やっぱり予告を超えることはできなかったなぁという感じ。当初の計画通り、『グラインドハウス』のDVD特典として1時間弱にまとめるのがベストだったと思います。

個人的にはここ数年、本作や『ノーカントリー』、『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』、『エル・トポ』(DVD廉価版発売)など、メキシコ辺境モノがちょっと熱いです。

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2011年05月24日

解体屋

110524.jpg小泉元首相はかつて‘自民党をぶっ壊す’と言って、国民の大きな支持を得ました。このノリに近いのが、今シーズン 東北楽天ゴールデンイーグルス(楽天の‘てん’とゴールデンの‘デン’が被って語呂が悪い)の監督になった星野さん。
星野さんは前任の野村監督が確立したID野球をぶっ壊す無策…もとい直情型野球を繰り広げ、目下ぶっちぎりの最下位。今のところ北京オリンピックの失敗はまったく活かされていない模様です。小泉さんと星野さんに共通するのは、ぶっ壊すのはぶっ壊したけど、みんなが思っていたカタチとは違うものになってしまったこと。こういうタイプの人はうまくいっている時はイケイケですが、ひとつ歯車が狂うと目も当てられない状態になってしまうので要注意です。
そんな派手な星野監督の陰で粛々と自分の使命をまっとうしているのが、横浜ベイスターズの尾花監督。開幕当初は何を血迷ったのか勝ち越し、連勝、貯金をしてみんなを驚かせましたが、すぐに軌道修正して最下位に。チーム解体に向けて邁進しています。

解体といえば、映画監督のダーレン・アロノフスキーも取り憑かれたように人体解体に精を出しています。デビュー作『π』からその兆候はありましたが、次の『レクイエム・フォー・ドリーム』からはたがが外れたように解体屋としての道を爆進。
『レクイエム〜』ではドラッグで身も心もぶっ壊れていく人たちを執拗に追い続け(ジェニファー・コネリーがあんなことをするなんて!)、つづく『レスラー』では整形で顔が崩れたミッキー・ロークをプロレスラー体型に改造して、ボロボロに朽ちていく姿を描いていました。そして最新作『ブラック・スワン』でもその手を緩めることはなく、ナタリー・ポートマンをバレリーナ体型に仕立て上げ、精神がグニョグニョに溶解していく様を描き出しています。さらに万引きで捕まるなど、かなりの壊れっぷりを披露してしまった愛しのウィノナ・ライダーちゃんがイカれたトップバレリーナ役で出ていて、とんでもない目に遭ってしまうというオマケつき。
この作品、ナタリー・ポートマンが踊るバレエシーンの代役が話題になってますが、吾輩的には練習シーンでお目にかかれる彼女のチクピームが本物なのかの方が大きな問題です。

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2011年04月09日

断捨離な映画

110409.jpg近頃せっせと断捨離に勤しんでいます。「物質文明に飽き飽きしちまったのさ」と、ニヒルな笑みを浮かべたいところですが、単に来年小学校にあがる子どもの部屋に置いている本やビデオテープを整理せざるを得ない状況になっているだけの話です。
極力手ばなしたくないので、大人部屋の棚やクローゼットに詰め込まれたアイテムをあれやこれやと積み替えて何とかスペースをつくり出そうとするものの、狭小住宅ゆえすぐ限界に。
仕方なく二度と読まないであろう本を捨てる。次に小学生の頃から撮りためていた映画やバラエティ番組のビデオテープに着手。これには当時のテレビCMも入っていてもったいない気もしたのですが、今のご時世YouTubeで見ることができるので思い切って処分。そう考えると、映画もレンタルすればいいんじゃないの?という気がしてきて次々に処分。勢いにのって、ここ何年フタを開けるどころか、ジャケットすら見たことのないCDも処分。(なかなか調子良さそうに書いてますが、陰で捨てたビデオに入っていた映画をDVDで買い直すという、何だかよく分からない行動をとってます)
こんな感じでかなり思い切って整理しているわりには、見た目はそれほど変わらず。そうなると、断捨離に関係のないつれ合いが読まない雑誌のバックナンバーを大事に置いていることに腹が立ってきてギリギリと奥歯をすり合わせる状態に。いろんな意味で断捨離の道はきびしいです。
さて、DVDで買い直した映画に、ジム・ジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』と『ダウン・バイ・ロー』があります。2本とも最後に観たのは15年ほど前。何も起こらず、気だるい会話が延々つづくイメージだったのですが、今観直すと展開がはやくてビックリ。今どきの2時間半を超える情報テンコ盛りの映画の方がよっぽどノラリクラリしているように感じます。やっぱり映画は1時間半くらいにまとめる方が良いですね。そういう意味では、ジャームッシュは派手な展開やアクションをできる限り捨て去る断捨離精神で映画をつくっているといえるでしょう。その代わりに画面構成にこだわり、1シーン1シーンがひとつの画として成立するようにしているのが初期作品の特徴。近作はそれすらもうるさいどばかりに排除しているようにうかがえます。ジャームッシュはそのうちサイレント映画が撮るんじゃないでしょうか。

ところで『ストレンジャー〜』の主人公ウィリーの部屋、いいですねぇ。テレビとベッド、調子の悪い掃除機くらいしかない、あのシンプルさ、妙に心地良さそう。吾輩もあれくらいサッパリすればと思ったりもするのですが、サッパリする意味も特にないのでこれからも物欲にまみれて生きていこうと思います。

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2011年02月25日

『冷たい熱帯魚』

110225.jpg自分は何と、ちっぽけな人間か…。そう思うのは、カレーライスを食べる時にラッキョウが切れていて地味にテンションが下がるからでも、思いっきり口内炎を噛んで半ギレになるからでも、足の小指を打ちつけて必要以上に痛がるからでもなく、『冷たい熱帯魚』という映画を観たからです。
いやはや、凄まじい映画です。最近観た中で、これほど引きずる映画はちょっと思いあたりません。内容は、実際にあった愛犬家殺人事件をベースにしたサスペンスなんですが、スクリーンから放射される悪電波は娯楽の域を超えています。
その震源地となっているのが殺人鬼、村田。その存在感は、『羊たちの沈黙』のレクターや『セブン』のジョン・ドゥ、『ノー・カントリー』のシガー、『ダークナイト』のジョーカーと比べても引けをとりません。それどころか、今までのサイコキラーの重鎮たちは常人の理解が及ばない超人として存在していたのに対して、村田はひたすら欲のためだけに悪行を積み重ねる俗人で、生々しさにおいて遥かに彼らを凌駕しています。
一見、人なつっこいオッサンが突然ドス黒い本性をあらわにする恐怖。これは誰もが心のどこかに持っているもの。事実、映画が終った後、うしろの席に座っていた60歳くらいのアベック(夫婦という雰囲気でもないんですよね、これが)が、村田と同類の人なんじゃないかと、めちゃめちゃ怖くなってしまいました。
ジメジメ湿った空気からしか生まれない日本独自の「魔」。その質感を完璧にフィルムに閉じ込めた園子温監督、ただ者ではありません。

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2010年11月17日

ラストデイズ

20101116.jpg年末まで不休(しっかり寝ますけど)で仕事をすることになり2ヶ月弱、TRUCKの革のイスを買うことをモチベーションに頑張っていたものの、そろそろ疲れが出てきたかなと思っていたら案の定風邪をひいて発熱。長引かすワケにはいかないのですぐさまお医者さんに注射を打ってもらいに行きました。
熱と熱冷ましの作用で眠さ全開。さすがにこの日は仕事をあきらめ、おとなしく布団の中へ。つれ合いと子どもは実家に帰っていて、家には吾輩一人。何もすることがないのでひたすら寝る。といっても限度があり、夜中に目が覚める。本を読むにはしんどいので映画を観ることに。しかし、とても『悪魔のいけにえ』や『ゾンビ』を観る気になれない。この気だるさにマッチした映画はないものかと収納BOXをあさっていたら、夢うつつの状態でしか観たことのない、というか観ると夢うつつになってしまう『ラストデイズ』が目に入る。
この作品は、ガス・ヴァン・サントがニルヴァーナのカート・コベーン(globeのマーク・バンサーさんはこう発音していらっしゃいました)をモデルに、ロックスターがショットガン自殺するまでの数日を描いたもの。
ダルい感じでボソボソと時間の断片が描かれるという印象たったのですが、今回観直したらユルいコメディとして楽しめました。あんまり中身をいうのも何なのですが、冒頭主人公らしき男が寒そうな森の中を半袖のTシャツ1枚でさまよい、‘何をしとんねん’と思っていたらいきなり川にダイビング。そして半ケツを披露した後、チロチロ放尿。
『バッファロー'66』でのヴィンセント・ギャロ、『アイズ・ワイド・シャット』でのニコール・キッドマンに肩を並べるナイスな放尿シーンです。
そんな具合に結構ニヤッとするシーンがあり、これが監督自身ねらってやったことなのかと考えると、さらにおかしみは増してきます。
そして前作『エレファント』で使った別視点での時間のリフレインをここでも使い、これでもかというくらい空回りしているのです。しかしこれも自己パロディと解釈すれば全然OK。何か観終わってすごく得した気分になりました。

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2010年10月11日

セナ アゲイン

101011.jpg仕事の合間を縫って、アイルトン・セナのドキュメンタリー映画『アイルトン・セナ 音速の彼方へ』を観賞。F1ファンとしてはスクリーンでセナの走りを見られるだけでOK。暴れるマシンをギリギリのところでコントロールするドライビングは何度見てもスリリングです。ただ、ドキュメンタリーとしては特に新しい切り口も発見もなし。プロストとの戦い・争いは、善玉=セナ、悪玉=プロストという昔ながらの構図になっていてちょっと興醒め。‘これが真実だ’ってものはありませんが、実際はもっと複雑な力が絡み合っていて、セナもその中にどっぷり浸かっていたはず。その辺のところを突っ込んでいたら、映画としてもっと深みが出ていたと思います。そういう意味では少し前に出た『セナvsプロスト 史上最速の“悪魔”は誰を殺したのか?』(マルコム・フォーリー)という本の方が全体像をつかめるかも。(タイトルはいただけませんが…)
この映画を観て感じるのは、アイルトン・セナという人はズバ抜けたドライバーで、ミステリアスな個性を持っていたということ、事故が起こったサンマリノGPには目に見えない負の力がはたらいていたこと(このグランプリではセナの他にも、もう1人亡くなっているんです)、そしてバリチェロは昔からオッサン面していたということです。
事故とは関係ないですが、94年シーズンのセナは念願のウィリアムズに移籍したにも関わらず、浮かない顔というか、びっくりするくらい老け込んだ表情をしてました。それはマシンの調子が良くないことや、台頭著しいシューマッハに対する焦りとは違う何かがあったように思えてなりません。よくいわれることですが、やはり宿敵プロストが引退して、彼も燃え尽きかけていたのかもしれません。
そういう繊細さを持つキャラで、最期があまりにも衝撃的だっただけに、‘叶うなら、政治も金も絡まず、純粋にレースをしていたカート時代に戻りたい’という彼の言葉が響きます。

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2010年08月18日

巨匠の乱心

YouTubeを漂流していたら、何やら妖しい映像に出くわしました。
ジョーダン・ベルソンの実験映像を彷彿とさせるコズミックな映像がはじまったかと思うと急にモンドな質感に変わり、C級ムービー丸出しのナレーションが被る。そして、砂漠にそびえ立つナゾの石塔が爆発すると同時に試験管も砕け、どデカい顔をした蟻がこちらを睨んだら最先端のレーダーがくるくる回り出し、スーパーコンピューターがはじき出したデータを見た科学者たちが驚きの表情を浮かべる。
別に暑さで頭がヤラれたワケではありません。映像を見たまんま書いているだけです。
映像のタッチ、レーダーやコンピューターのレトロな造形、登場人物のファッションがいちいちモンド指数全開でおもしろがって観ていたら、どんどん変さ具合が加速して、後半は完全におかしい人の映像になっています。この‘たが’のはずれ様、ちょっとヤバいです。
実は、この珍映像をつくったのはアメリカを代表するグラフィックデザイナーで、数々の映画のオープニングタイトルを手がけたソウル・バス。ウィキると、彼が監督デビューを飾った『フェーズ4・戦慄!昆虫パニック』という映画の宣伝らしい。戦慄したのは映画に出ている科学者ではなく、この映画に出資した人たちであることは火を見るより明か。デザイン界の巨匠が気持ち悪いくらいのテンションで「これからワシが最高の映像をつくる!」と力説するからさぞかし良いんだろうと思ってお金を出したら、出来上がってきたのがこの映像。「ふ〜む、これが時代の最先端を行く映像かぁ……。それにしてはちょっと一般大衆を意識したつくりになっているかも……。いや、どちらかというとかなりC級チックなような…。アレッ、ちょっと待てよ、これ、とんでもないゲテモノムービーじゃないか? ヤバい、絶対ズッこける、オレ様の金どうしてくれるんやプロデューサー!」と、パニックになったことは間違いないでしょう。
観たいです、この映画。アマゾンで検索したら残念ながらありませんでしたが、その代わりにフェーズ4よりもアブない『フェーズ6』『フェーズ7』という作品が引っかかってきました。やはり世界はどんどん危機的な状況になっているようです。

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2010年07月27日

早乙女愛〜女猫について

女優の早乙女愛さんが、多臓器不全のため亡くなりました。世の中的には早乙女愛といえば『愛と誠』ということになっているようですが、吾輩的には断然『女猫』です。
めねこ、メネコ、MENEKO、嗚呼『女猫』…。このようにうなされるほど吾輩の人生の中で、この映画はひと際強いインパクトを残しています。あれは中坊になりたての頃。「ロードショー」をペラペラめくっていたら、成人映画紹介のページに気の強そうなベッピンさんが峰不二子顔負けのオッパイを曝け出している姿が目に飛び込んできました。当時の成人映画やエロ雑誌のモデルというのは今では考えられないくらいクオリティが低く、‘こんなブサイクやったら漫画の方がええわ’というくらいでした。…というか、そうだったと推測されます。そんな中、愛さんのルックスは際立っていたというか、奇跡といっても過言ではありませんでした。記事を読むと、「ポルノ」がつかない普通の女優さんということで、さらにボルテージは上昇。(山城新伍監督ということで、若干萎えましたが)
しかし、中学生はポルノ映画を観ることはできません。この障害を乗り越えるためにひらめいた作戦は、映画のチラシを買うこと。チラシの表面はさすがにオッパイは出ていませんが、ボリュームのある谷間がバッチリ拝めます。さっそく、通信販売のチラシ屋で『ドランクモンキー酔拳』や『メガフォース』のチラシを煙幕代わりにして、見事『女猫』のチラシをゲット! ボルテージは最高潮に達し、チラシを凝視すると胸の谷間にうっすら産毛が生えているのを発見し、完全にオーバーヒートを起こしてしまいました。
その後、愛さんはテレビドラマ『新ハングマン』に出演し、これでもかとエロさをアピール。そしてヌード写真集まで出しちゃいました。吾輩が遠くの本屋まで買い付けに行ったことはいうまでもありません。もちろん大人になって『女猫』もレンタル。この時は煩悩よりも青春の甘酸っぱさがよみがえり、涙がこぽれそうでした。
そんな言葉では言い表せないこと、いや、言葉では言い表せないくらいお世話になった早乙女愛さんのご冥福をお祈りいたします。

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2010年05月31日

憧れのオトコ

100531.jpgフェラーリで湾岸をカッとばし、愛人の誕生日にはヘリをチャーターして眼下に広がる摩天楼を眺めながらドンペリで乾杯、そして新進気鋭の建築家につくらせた自宅に帰れば何やワケの分からん食材をこねくりまわしてパスタをつくる。
こんな暮らしを実際にしている人がいるのか吾輩には分かりませんが、成功者が成功したことを実感するための夢のライフスタイルというものにまったくピンときません。カッコ悪いというか、冗談の領域に入っているようにしか思えないんですよね。京都の狭く混んだ路でつっかえているフェラーリを見た時、運転している人がバツの悪そうな顔をしているのならまだしも、‘どや、フェラーリや、ええやろ’というオーラを出されると、恥ずかしくてよう見てられません。たぶん、そういうセンスを持っているからこそ成功してはるのでしょう。よく分からんけど。
でもまぁ、人にはそれぞれ憧れのライフスタイルというものが少なからずあるものです。吾輩の憧れは、『ビッグ・リボウスキ』の主人公デュードの暮らしぶり。画像はデュード(左)とそのダメ友なんですが、この風貌からして大体どんな暮らしぶりか想像できると思います。
当然みみっちい仕事なんかしようともせず、昼間から酒(ホワイト・ロシア)をチビチビやりながら、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルやボウリング大会の実況テープを聴き、夜になるとダメ友とボウリングに興じるというダラダラの極致…ではなく時間に縛られることのない自由な毎日を送っているのです。金では買えない生活どころか、気合いさえあればいくらでもタダで手に入る生活。‘自分らしく’生きているというのはこういうことをいうんじゃないかと真剣に憧れたりなんかしてしまいます。
しかもデュードが住んでいるアパートは(当然)ボロボロなんですが、妙に居心地が良さそうで、「ブルータス」の住居空間学で取り上げてほしいくらい。
まぁそんな感じでデュード、イカす男です。もちろん作品もサイコーです。

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2010年04月30日

終わっている人

100430.jpg最近、あるところで‘終わっている人’に出会いました。詳しいことはここでは書けませんが、よくもまぁそんなことを恥ずかしげもなくやるなぁと呆れるというか感心するというか、とにかく理解不能でした。こういう人が普通に社会にいて、それも結構いいポジションにいたりするから困ってしまいます。

そういえば映画でもちょこちょこ‘終わっている人’を描いた作品がありますね。例えば、トッド・ソロンズの『ハピネス』やアカデミー賞を獲ったサム・メンデスの『アメリカン・ビューティー』なんかがそれです。この2作を挙げたことで、さっき書いた‘終わっている人’の終わり具合がだいたい想像できるかと思います。
吾輩はどちらの作品も好きですが、『アメリカン・ビューティー』はケビン・スペイシーのイカすトンマぶりに頼っている部分が大きいので、登場人物がみんなさりげなく狂っている『ハピネス』に軍配をあげたい。
『ハピネス』は平凡な三姉妹を軸に、その家族や隣人たちの日常が断片的に描かれています。それぞれ人にはいえない悩みや恥部を持っていて、それがだんだん大きくなってきて漏れ出ちゃうのですが、これが何とも哀しくおかしい。(フィリップ・シーモア・ホフマンの情けなさはサイコーです!) 中には取り返しのつかないところまでいってしまう人もいるのですが、観終わった時、タイトル通りハッピーな気分になるのはなぜでしょう。

ところで吾輩が出会った‘終わっている人’ですが、別れた後その場にいた人たちとハピネスに盛り上がらせてもらったのはいうまでもありません。ついでに、‘終わっている人’がしでかしたことがまったくシリアスなことでないのもいうまでもありません。

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2010年03月31日

これぞ痛快娯楽映画!

103031.jpgおバカ映画が見たくなって、ジョン・カーペンターの『ゴースト・オブ・マーズ』をレンタル。この作品はずっと前に借りたことがあるのですが、居眠りしながら観たせいもあって主演のナターシャ・ヘンストリッジの今にも爆発しそうなバズーカップしか記憶に残っていませんでした。
今回観直しところ、やっぱり彼女のバストしか目がいかないまま曝睡。これ、お坊さんが解脱するための修行に使ったらどうでしょう。三度目の正直ということでもう一回観直して、ようやく内容を理解。というか内容がないことを理解しました。
でも、これがおもしろい。ストーリーや心理描写は皆無で、頭の悪い化け物とそれに輪をかけてトンマな主人公ご一行が暴れまくる大活劇に仕上がっています。大切な仲間が首チョンパになっても完全無視でドンパチ。‘自分さがし’なんて呑気なことをいって、黄昏れているヒマなんてありません。
そして特殊効果はCGを使わず、円谷プロ的なミニチュアを使用。バトルの撮り方も昨今のせわしない編集などせず、昔の時代劇のように引きの固定アングルでじっくりと見せてくれます。そしてとどめにカーペンター自ら奏でるノッペリした音楽が乗っかり興奮は最高潮!
これを時代遅れだとか老いぼれといってはいけません。実際、最新技術を使い、スタイリッシュ風味に加工したそこらへんの作品よりおもしろいのですから。ジョン・カーペンター、62歳。まだまだ現役でがんばっていただきたい。
ちなみに、本作のアメリカでの劇場公開は2週間でバッサリ打ち切られたそうです。

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2010年03月01日

JLG体験

100301.jpgJLG。‘じゃこ・レタス・後藤さんちのお芋の煮っころがし’ではなく、ジャン・リュック・ゴダールのことです。言わずと知れた生きながらにして伝説と化した映画監督、名前を見るだけでなぜか脳みそが締めつけられるような気分になるカリスマです。
が、吾輩は代表的な作品4〜5本しか観たことがない うつけ者です。それも学生時代に‘ゴダールくらいは観とかなカッコつかんのかなぁ’といった見栄で観ただけ。そして当然のごとくどの作品も意味が分からず、逃げ出したというありさまです。
それからというもの「ゴダール」という文字がチラつくたびに見て見ないふりをしてきたのですが、最近読んだ本にやたらとこの巨匠が登場して、もはや逃げ通せない状況に。
不惑の四十代も目前だし、そろそろゴダルってもいいかなと思い、はるか昔にテレビ録画した『映画史』をクローゼットの奥から引っ張り出してくる。同じビデオテープに録画した『燃えよドラゴン』と『ダウン・バイ・ロー』は何度も観たのですが、『映画史』はおそらくはじめて。ゴダールを観るという行為自体に大人な雰囲気を感じ、無駄にテンションが上がる。そしていよいよ再生。
ところが、モニターに映し出されたのは砂嵐。ようやく難しい顔をしたゴダールが映ったと思ったら、強烈なノイズが入って強制終了。
どうも時間の経過と前の家でしまっていた押入れの湿気のせいで劣化した模様。というワケで吾輩のゴダール再チャレンジは延期に。ガッカリしたようなホッとしたような複雑な気分です。こんな気分にさせてくれるのも、ある意味ゴダール体験なのかもしれません。もちろんこの後リフレッシュとして『ゾンビ』を鑑賞したことはいうまでもありません。
ところでクローゼットにしまってある同じようなビデオテープ数百本、もしかしたら捨てていいかも。

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2010年01月15日

GOMON MOVIE

100115.jpg去年の暮れから火傷の治療(熱々に熱したポットを握りしめてしまう失態)や、デンタルケアのためにお医者さん通いが続いています。
このような状況で改めて気づいたのは、自分がかなりのビビリだということ。歯医者さんの治療中ちょっとでも神経を刺激されると、即座に右手をあげてしまいます。(治療前に‘痛みがあれば手をあげてくださいね’とやさしく言ってくれていたくせに、実際手を挙げると‘はーい、大丈夫ですよ’と、冷たく却下されるのは納得がいきません)
たぶん吾輩が拷問にかけられたら、というかかけられる前に、あることないこと包み隠さずキレイさっぱりと白状すると思います。

また、お正月にジョニー・デップの『ブレイブ』を観て拷問に対する恐怖心が大きくなってしまい、悪夢を見ることもしばしば。この映画は、ジョニー・デップ演じる主人公が家族をスラム暮らしから救うために、人を拷問して殺すことに悦びを感じる変態男に自分を売るという、何とも救いようのないブルーな代物。こんなことをいったら身もふたもないですが、そんな根性があるなら家族みんなでムツゴロウ動物王国に入国するなり、派遣村に入村して2万円ゲットするなり、他に手はあると思うのですが…。百歩譲って命を売るにしても、せめてどんな拷問を受けるのかメニューは確認しておくべきでしょう。吾輩なんて、飲食店で大盛りを頼む時でも‘大盛りって、どれくらいの大盛り具合ですか?’と確かめるくらいですから。

そういえば映画って、ちょくちょく拷問をフューチャーした作品が作られますね。キリストの受難を描いた『パッション』や究極のドSを描いた『ソドムの市』なんかはかなりエグくて痛い作品ですが、吾輩の中でもっとも強烈な拷問映画は『1984』。ラスト近くで主人公が受ける拷問はコワ過ぎです。もし、あの拷問を吾輩バージョンにアレンジされて受けることになったら……考えるだけで気が狂いそうなのでここら辺でやめときます。

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2009年11月22日

我慢の限界

091122.jpgTwitterと『地獄の黙示録』、このまったく関係のないふたつをつなげる共通項は何か。吾輩の場合はジム・ジャームッシュの新作『リミッツ・オブ・コントロール』でした。別につなげる必要はこれっぽっちもないんですが、この作品を観ているうちに何となくこのふたつが頭に浮かんできました。

この作品はいつものようにジャームッシュ節炸裂で、何も起こらないまま時間が進み、そして終わる。といってもそれは上映が終わっただけで、スクリーンの向こう側の時間はずっとつづくといった感じ。
主人公は「孤独な男」と呼ばれる殺し屋。‘自分こそ偉大だと思う男を墓場へ’というワケの分からん指令を受けて、次々に現れるこれまたワケの分からんメッセンジャーの指示に従いながらスペイン中ほっつき歩くというお話。お疲れ気味のカラダにこの展開はちょっとつらく、途中我慢の限界がきてウトウト。中盤から体勢を立て直し、何とかのりきりました。

吾輩が思うジャームッシュのテーマはふたつ。ひとつは、ディスコミュニケーション。彼の作品の登場人物たちはすれ違ってばかりで、仲良くなってもその場限り。事が済めば愛想もこいそもなく別れてしまいます。そもそも彼らは理解し合うなんてことは求めていないんですよね。人はそう簡単に理解し合うことなんかできないし、その必要もない。理解し合わなくても、それぞれの存在を認めることが大切ということじゃないでしょうか。
何か金八っつぁんみたいになってしまいましたが、自分と違う人がいっぱいいるんだなぁと思いながら屁をこいて寝るようなジャームッシュのスタンスが吾輩にはシックリきます。だからTwitterやmixiなんかのコミュニケーションや、フレンドリー重視なこの国の空気はどうも馴染めないんですよね。というか、気持ち悪くて我慢なりません。(と言いつつTwitterに登録して、どうつぶやいていいのか分からず放置状態なんですが…)
どっちにしても、もう少し‘孤独’というスタンスをポジティブにとらえる必要があるんじゃないかと強く思います。

さてさて話は映画に戻りまして、ジャームッシュのもうひとつのテーマは移動。彼のほとんどの作品の登場人物は旅をするというより彷徨っていて、今回の殺し屋の男も曖昧なミッションを遂行するために知らない土地を彷徨いつづけます。見えない展開とダルい音楽で、観ているこちらの時間感覚がぼやけてくるのは『地獄の黙示録』と同じ感触。これら2作のように空間移動と時間移動の感覚をシンクロさせる映画って、そんなにありません。ロードムーピーといわれるものの多くは「成長」「和解」というゴール目指しているので、観ている者は予定に沿って進む話に安心していられるのですが、『地獄の黙示録』や『リミッツ・オブ・コントロール』はそういう予定調和な展開にはなっていない。そういう意味でもこの作品は『デッドマン』の域には届かないにしても、そこそこの良作です。

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2009年11月14日

『13日の金曜日』

091114.jpg眠い目をこすりながら、やっとこさ『13日の金曜日』のリメイク版をDVD鑑賞。手がけたのは、『悪魔のいけにえ』のこれまたリメイク作『テキサス・チェーンソー』でタッグを組んだマイケル・ベイ&マーカス・ニスペル コンビ。さらにオリジナル版『13日の金曜日』の監督ショーン・カニンガムも製作総指揮として顔を出しています。無駄にフレディと闘って信用をなくしたせいか、名誉挽回とばかりに本気の気配が漂ってます。
『テキサス・チェーンソー』はオリジナルのエグ味を抜いたポップコーンホラーとして良くできていたので、かなりの期待感を持って再生ボタン スイッチオン。(以下ネタバレあり)
お決まりの男女混合グループが登場し、誰がどんな殺され方をするか予想していたら、頭の悪そうなカップルが露出プレイ+セックスをはじめる。う〜む、なかなか見事な脱ぎっぷり。でも、オンナのオッパイ、シリコン丸出し過ぎます。
愚息ではなく期待感を膨らませていたらジェイソンが現われ、いきなりバタバタ殺していく。はじまって15分しか経ってないのに大丈夫?と心配していたら、あっという間に皆殺しにしてタイトルバック。単なるオープニングでした。
で、この後もお約束にのっとって話が展開されます。完全にコメディになった最近の作品とは違い、あくまでシリアスに描いていて好感は持てるのですが、残念なことにちっとも怖くない。どうしてかしら?ゼンジー北京(本名:渡辺重信、広島県出身)の手品より不思議です。
吾輩なりに考えた理由は3つ。1つ目は『13日の金曜日』お決まりのジェイソンが現われる時に鳴り響く「シュシュシュシュシュ…シャシャシャシャシャ…」という効果音がないこと。いきなり現われてビックリはするけど、来るぞ来るぞと煽ってくれないとやっぱり盛り上がりません。
2つ目と3つ目は構成的な欠点です。ひとつはオープニングと本編でまったく同じ惨劇を描いてしまったこと。同じ内容なのに何で片方は15分で片付けられ、もう片方は1時間以上かけて描かれるのか。その疑問がずっと引っかかり、なかなか映画の世界に入り込めない。
もうひとつは等間隔で殺しが遂行されること。お客様を退屈させないジェイソンのサービス精神は立派ですが、全体的にノペ〜となった印象です。
要するに、オープニングの殺戮シーンをカットして、本編でもう少し間を取って緩急をつければ凄い作品になっていたんじゃないでしょうか。
今気づいたのですが、このネタをアップしたのは13日の金曜日じゃなくて、14日の土曜日…。つくづく間の悪い男だと思います。

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2009年08月18日

安売りすべからず

090818.jpgセコビッチという称号を欲しいままにしている吾輩は、中途半端なセールにだけは引っかかるまいと日頃から注意しています。「10%オフ」という甘い言葉にのせられてそんなに欲しくないモノを買ってしまいがちですが、そういうモノってやっぱりそんなに欲しくなかったモノだから大抵は使わないことになる。そればかりか‘何でこんなん買ったんやろ…’と、後悔するハメになってしまいます。なので、セールをやっていても自分が欲しているモノかどうかをイヤというほど自問自答するようにしています。

そんなガードの固い吾輩がセールの罠に引っかかってしまいました。『エマニエル夫人』の安売りで。引っかかるにしても、もうちょっとマシなモノがあるだろうと自分でも呆れてしまいますが、『エマニエル夫人』という響きに反応してしまったのだから仕方がありません。
ことの経緯はこうです。タワレコに行ったらDVDの1800円シリーズが出ていて、しかも2枚以上買うとさらに15%オフになるという。1枚あたり1530円。さらにポイントがつくから実質1470円。これは安い。ということで『未来世紀ブラジル』と『ブロークバック・マウンテン』をチョイス。いい買い物が出来たとレジに向かおうとした時に、藤のイスに座り悩ましげな顔をしているエマニエル夫人と目が合ってしまったのです。中学生の時に何回かお世話になったご恩や、衣装がオシャレだと誰かがいっていたのを思い出し、1周回ってカッコいいかもとレジに持っていきました。
青(性)春時代の記憶というのは怖いもので、今ではいろんなAVを見てちょっとやそっとでは驚かないカラダになってしまったにも関わらず、ちょいエロ映画ごときに帰りの電車からドキドキ・ワクワクする。そして夜中に一人再生ボタンを押してみると、意外にエロシーンが多いことにビックリ。というか、ほとんどそれしかない。有名な飛行機の中でのセックスシーンなんて、絶対にありえへん!
しかしながら全体を通してグッとくるエロさがないし、笑えるほど飛んでるシーンもない。すでに‘何でこんなん買ったんやろ…’と、このDVDだけクローゼットの奥に隠してしまいたい思いにかられているのですが、ゾンビ映画の中にポツリと『エマニエル夫人』が紛れているのもおもしろいと思い、一緒の収納箱に入れています。
‘女は自分を安売りするな’といいますが、本当にその通り。セールさえしていなければ吾輩が過ちをおかすこともなかったのに…。

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