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2016.07.21

夏はミステリーの季節

160721 セミの声が響くのをボケ〜と聞いていると、この世ではない場所に誘われる、ちょっと怖くて、不思議な気分になります。
しばしば言われることですが、夢や幻と“うつつ”は切り離された別世界ではなく、地続きになっている気がしてなりません。

 現にレンタルビデオ屋さんに行くと、まったく借りた記憶がないのに、「以前にレンタルされていますが、よろしいですか?」と訊かれる。
 実は、僕が暮らしている“現実”と呼ばれる世界と似た別の世界があって、知らないうちにそちら側に迷い込んで……ということがあるのかもしれません。が、そんなことよりも取りあえず、レンタルビデオ屋さんの“前に借りたことがあるのを教えるサービス”をやめてほしい。別に同じ映画を観ることって、そんなに珍しくないでしょ。というか、映画の場合は間違えて同じ作品を借りるより、また観たいと思って借りることの方が多いんじゃないでしょうか。せっかくご機嫌にお気に入りの映画を観ようとしているのに、僕のことなどまったく知らない店員さんから、したり顔で「前に借りたことあるぞ」と言われて、いい気持ちになるワケがありません。
 百歩譲って、通常の映画ならそう言われても冷静にやりすごせますが、18歳以上限定のジャンルとなると、その恥ずかしさたるや「パネェ」です。この場合の店員さんの「以前にレンタルされていますが」という言葉は、「どんだけ気に入っとんねん!」という意味であり、それがマニアックな作品だったりすると、恥ずかしさ倍増です。
 しかも、このジャンルの場合は本当に借りたことがあるのを忘れていることが多く、それは自分でも気づかないうちにパッケージの写真やタイトルに釣られて借りているのを意味するワケで、ある意味こっちの方が恥ずかしい。
 40過ぎてこんなことで慌てふためくところを、20歳そこそこの若造に悟られるのも癪なので、そう訊かれた時は「それで結構です。」と、胸を張って言い切るようにしています。

 少々話は逸れましたが、夏は不思議な出来事に遭遇しやすいミステリアスな季節。例え本当に不思議なことに出会わなくても、ミステリー小説を読んでいろいろなことを空想するのも一興です。
 僕も今、日影丈吉というミステリー作家の作品を読んでいるところ。先輩格の江戸川乱歩に比べると、彼の作風はより幻想的で、知らない世界に迷い込んだような浮遊感を味わえることが魅力。しかも、おどろおどろしいことが起こりそうで、結局は語り部の想像で終わったりすることが多く、「ホントのところはどうなの?」と余韻が残るところもいい。昭和中頃に漂う不穏な 空気感と、ノスタルジックな雰囲気に浸りたい時にオススメです。
 18歳以上のジャンルでオススメを知りたい方は、個人的にご連絡ください。

posted by ichio