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2014.11.10

若いモンに物申す

141111.jpg40代半ばに差しかかり、ジェネレーションギャップを感じることが増えています。この前も仕事の打ち上げでご機嫌に飲んでいたら、女性スタッフさんから素で「中年のオヤジみたいで気色悪い」と言われました。‘中年のオヤジみたい’は事実なので素直に受け入れますが、‘気色悪い’はまったく自覚がない。ていうか、極めて紳士的に振る舞っていたつもりだったんですけど…。同じ場にいた男性陣に確認したところ、‘まったく問題なし。安心してよい’とのこと。これはたぶん、僕たちの世代が普通だと思っていることが、若い世代にとってはそうではないのでしょう。
また、缶コーヒーのCMで流れるスティービー・ワンダーの曲を聴いた若い人たちが、ONE OK ROCKの曲を勝手にカバーしたと怒っているという記事を見て、これまたジェネレーションギャップと強い違和感をおぼえました。

こういう物言いは‘最近の若いモンは’とまくしたてるロートルみたいで我慢していたのですが、今読んでいる『人生作法入門』の中で山口瞳さんが若いモンに腹を立てているのを見て、僕も文句を言ってやろうと強気になった次第です。
僕が文句を言いたいのは、スティービー・ワンダーを知らないことではなく、知識のレンジが狭いことです。僕も決して広くはありませんが、いろんなことを知りたい気持ちはあります。でも、今の若い人にはその姿勢があまり感じられない。‘自分たち(“自分”ではなく、“自分たち”)が好きなこと、共感できることだけでいい’みたいな考え方が定着している気がしてならないのです。これは、仕事や人生において“間違わずにソツなくこなす”姿勢にもつながっていやしないかと思うワケです。

映画や音楽が好きな人に限っていっても、自分の好きな人やジャンルしか興味がない人が多いように感じます。しかも海外のミュージシャンやクリエイターに対する関心度が低く、ルーツともなると問題外。インターネットでいろんなことにアクセスできる時代なのに、意識が内にうちに向いているのが興味深いところです。
僕たちの世代は海外への憧れもあったと思いますが、好き嫌いに関わらずいろんなものを観たり聴いたりして、自分の好みをつくっていった。今の人たちはこのプロセスが省略化されているんじゃないでしょうか。
とりあえずトム・ウェイツを聴いて、無理して強い酒を飲み、次の日に後悔するなんてこと、今の学生にすれば単なるバカなのかもしれません。大体、僕らは道端に落っこちているエロ本が見つけに、そこら中をほっつき歩いていた世代ですから。こんな非効率的なこと、今の人はしないでしょ。(実際に落っこちていたのですから、今とは世の中自体が違うのかもしれません)
自分たちが共感することに慣れ親しむのもいいでしょう。‘余計なことに割く時間はない’と、カッコいいことも言えるでしょう。
しかし、間違わず正解だけを選ぶことが必ずしも正解とは言えないと思うのです。余計と思えることを一旦取り入れ、それらが醗酵することで栄養となり、ドボ漬けのような味わい深い人間になるんじゃないでしょうか。
そんなクサい人間になりたくないと言われればそれまでですが、是非とも無駄や失敗を大切にしてほしいものです。何なら、エロ本探しにおつきあいします。

posted by ichio