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2014.04.12

安西水丸さんのダンディズム

140412.jpgイラストレーターであり、エッセイスト、作家でもある安西水丸さんが先日、亡くなりました。
安西さんが手掛けられた多くの作品の中でいちばん印象に残っているのは、村上春樹さんとコンビを組んだ『村上朝日堂』でのイラスト。小説とは異なる村上さんの“のほほん”としたエッセイに、安西さんの肩の力が抜けた温かみのあるイラストがマッチしていて大好きでした。

また、安西さんといえばダンディな大人の男で、「将来はああいう男になりたいな」と思う、憧れでもあります。ダンディといってもバリバリのブランドものに身をつつんでいるのではなく、自分の気に入った服をボロボロになるまで着たおす。自分に合った服を厳選して、それをとことん愛用することで服の方も着る人に歩み寄ってきて、イカすオーラが出てくるんですよね。こういう他人にとってはどうでもいいこだわりを持っている人って、中身も一本筋が通っていて信用できると、僕は思っています。
そんな安西さんの影響を少なからず受けて、僕も服を買うときはできるだけベーシックなものを選んで、それをクタクタになるまで着るようにしています。なので、僕の洋服棚には10年選手、20年選手は当たり前。ながく着つづけることで生地がいい具合にくたびれて心地よくなるし、サイズに合う体型をキープするように気をつけるなど、いいことづくめ。ただ、僕の場合はまだ人間力が足りないため、クタクタの服を着ていると単にだらしなく見えるところが問題ですが。
それと、たまに邪心から流行りのものに手を出すこともあるのですが、試着室の鏡に映った自分の姿を見てゾッとするのがオチ。醜態をさらさないように、「よろしいでしょうか?」という店員さんの言葉を無視して、そそくさと元の服に着替えます。
やっぱりある程度、歳を重ねると、急激な変化はよくない。増毛のようにジワジワ変えていくのが男の作法です。

posted by ichio