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2016.05.31

ついつい観てしまう、この一本

160531一時期、要らないモノをバッサリ捨て去る「断捨離」が流行りました。今でもインテリア雑誌などで、イケてるクリエーターが「今の時代、所有することに意味を感じない」なんてカッコいいこと言ってるのをよく目にします。ライフスタイルのひとつとして良いとは思いますが、僕自身はまったく逆のスタンス。ムダがあるからこそワクワク感があり、新しい発見がある。“ムダこそ、人を豊かにする肥やし”だと思っています。だから家には、他人から見れば「こんなん要らんやろ」というモノばかり。当然その中にはDVDも含まれております。
つらつら自分のラインナップを見直すと、「何で買ったんや」という代物も少なくありません。その代表格がジョニー・デップ主演の『ナインス・ゲート』。これはロマン・ポランスキーがメガフォンをとったオカルト・ミステリー。悪魔関連の古書を集める金持ちから、「『影の王国への九つの扉』という本を調査しいほしい」という依頼を受けた鑑定家(ジョニ・—デップ)が、本に隠された謎に迫ってゆく……というストーリー。こう書くと何かおもしろそうですが、大したことないです。筋はありがちだし、破綻している。画面の構図やCGの使い方も、“世にも不思議な何とか”と勘違いするくらいダサい。
でも、不思議と観てしまうんですよね。おそらく本作か『プレデター』のどちらかが、この10年で最も繰り返し観た映画のような気がします。僕的な好きな映画ベスト50にも入ってこないと思うのですが、仕事から帰ってきて何も考えずにホゲェ〜と眺めることができ、尚かつ丁度良いハラハラ感があり、ミステリーということで一応物語を引っ張る推進力もあるので、ついつい手が伸びてしまう。これがゴダールだと疲れて仕方ないし、同じくポランスキー監督の『ローズマリーの赤ちゃん』では重過ぎる。ミッキー・ローク主演の『エンゼル・ハート』が内容的にも近くて、いい線いっているのですが、『ナインス・ゲート』よりも遥かにしっかりとつくられているので、やっぱり観てみいて息が詰まる。こうして考えると、奇跡的なバランスでできている作品なんです。といっても、やっぱり扱いとしては珍作ですが。
これを観ている時間もムダな気がしないでもないですが(後半が間延びして妙に長いんです)、それでも観るということは、頭の中にある何かをリセットするために必要なのでしょう。このムダと必要との格闘が、毎日の暮らしにハリを与えてくれているのかもしれません。

posted by ichio