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2015.10.19

今こそ触れたい、カーティスの愛

151019 仕事に追われる日々がつづき、心身ともにお疲れモード。『ZIP!』に登場する犬のジジとププに「お前ら気楽にお散歩するだけで、オレよりも稼ぎやがって」と毒づくようになってきたので、これはいかんと、仕事の合間に街へ出かけたところ、ヘイトスピーチの現場に遭遇。
 何かに怒っているのは分かるのですが、マイクの性能が悪く、喋っている人のテンションが高過ぎて、何を言っているのかまったく伝わってこない。パフォーマンスとして効率悪いと思います。
 口角泡を飛ばして叫ぶ彼らを見て思ったのは、「この人たち、カーティス・メイフィールドを聴いたことがないな」ということ。

 カーティス・メイフィールドは、70年代前半、マービン・ゲイやスティービー・ワンダーらと共にニュー・ソウルと呼ばれる新しい音楽の流れを盛り上げたミュージシャンです。彼の特徴は、蒸し風呂に入っているような熱のこもったソウル&ファンクサウンドに、戦争や人種差別、貧困など社会性の強いメッセージをのせて歌ったところ。しかも全曲、ルックスとギャップのあり過ぎる甘〜い裏声で。
 彼の歌詞は痛烈であると同時に、すべてを包み込むやさしさがあるので、聴いているとすごく前向きな気持ちになってくるんです。
 話がそれるかもしれませんが、彼は1990年、コンサートの最中に照明の下敷きになり、半身不随になってしまいます。それでも生きる意志、音楽への想いを強く持ちつづけ、まわりの人や彼をリスペクトするミュージシャンのサポートを受けながら、感動的なカムバックを果たします。こういう彼の人柄が作品にも刷り込まれているんですよね。

 彼は多くの名作を残していますが、今回は『バック・トゥ・ザ・ワールド』をピックアップしたいと思います。ベトナム戦争の帰還兵の心情を綴ったタイトル曲をはじめ、シビアなテーマを取り上げているのですが、不思議とポジティブな感情が湧いきます。そしてラストを締めくくるのは、「フューチャー・ソング〜ラヴ・ア・グッド・ウーマン、ラヴ・ア・グッド・マン」という曲。マジで涙出ます。
 僕も『バック・トゥ・ザ・ワールド』からボジティブなパワーをもらい、再び仕事にとりかかっています。
 そして、また元通り、ジジとププがかわいく見えてきました。

posted by ichio