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2016.02.14

ボウイ、火星に帰還

160214jpg もっとはやくアップしたかったのですが、夏からの忙殺状態でできず。
 それにしてもビックリしました、デヴィッド・ボウイの訃報というか火星帰還の知らせ。最新作『★』が発売されたばかりだったので、つれ合いから聞いた時はタチの悪いデマだと思いました。
 僕にとってボウイはヒーローであり、中1の時に音楽に目覚めさせてくれた導師。当時『シリアス・ムーンライト・ツアー』のビデオを観て彼のスーツ姿にヤラれ、同じクリーム色のスーツを親におねだり。スーツはお値段的に無理があったので、代わりに近くのジーンズ屋さんで売っていた白のジャケットとチノパンで代用。テンションMAXで着替えたものの、鏡に映った自分の姿と脳内のイメージとのギャップのデカさに愕然。そんなショッキングな出来事も今となっては良い思い出です。

 輝かしくも波瀾万丈の人生を歩んだデヴィッド・ボウイですが、長年ファンをしている者にとっても山あり谷でした。特に80年半ばから90年代半ばまでのスランプ期は、巨大な才能が枯渇していくモデルケースを見ているようでつらかった…。このブログでも何回か取り上げているように、もう茶化して笑ってしまうしか気持ちのもっていきどころがありませんでした。
 あのような迷走に陥ったのは、キャリアを通じて“チェンジ”というテーマを自ら課したため。常に変わらなければという呪縛でがんじがらめになり、持ち前の自由な気質を失っていたように思います。

 しかしボウイは、朝食のパンに塗るバターがバター風マーガリンに変わっただけで不機嫌になる器の小さい僕とは違い、ファンが想像するよりも遥かにデカい才能をもっていました。復調の兆しは1993年の『ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ』にありました。ありのままでいいんだというニュートラルな姿勢を手にしたことで、かつてのメロディラインと躍動感が復活。それから順調に勢いを取り戻し、2002年の『ヒーザン』で何度目かの絶頂期に突入。大きな話題となった『ネクスト・デイ』も、この流れを見ていた者にとっては、いよいよ脂がのってきたなという感でした。これからますます刺激的な音楽を届けてくれると楽しみにしていただけに残念です。

 しかし、「彼の死を嘆くばかりではなく、彼の生を祝福しようぜ」というノエル・ギャラガーの言葉の通り、ファンとしてこれからもボウイの曲を聴きつづけたいと思います。(今はまだ涙腺が崩壊するのでムリ!)
 というワケで、ノエルの真似をして、僕もデヴィッド・ボウイの好きな曲を今の気分で5曲セレクト。

◎「オー・ユア・ピリティ・シングス」 〜『ハンキー・ドリー』
◎「フェイム」 〜『ヤング・アメリカン』
◎ 「サウンド・アンド・ビジョン」 〜『ロウ』
◎ 「ヒーローズ」 〜『ヒーローズ』
◎ 「イッツ・ノー・ゲーム Part1」〜『スケアリー・モンスターズ』

 名曲があり過ぎてもとても絞りきれません!(すべて『ロウ』から選ぶという手もあるのですが)
 ベルリン三部作の頃の神懸かった時期やグラムロック時代だけでなく、新しめの曲にもいいのが結構あるんですよね。

posted by ichio