そうり、そうり、そうり by 辻本

ここ何日か、柳宗理の『柳宗理〜エッセイ』を少しずつ読み進めているのですが、ページに書かれている一言ひとことに氏の仕事に対する自信と誇り、こだわりが滲み出ていて、「へへぇ〜、すみませんでしたぁ」と本を前に土下座してしまいそうになってしまいます。
どんな人でも少なからずこだわりや理想は持っていると思うのですが、それを実践することってホントに難しいですよね。吾輩なんてつくり手としてのエゴを一切捨て去り、ひたすらクライアント様の仰るままに書いていることもしばしば。一度でいいから、柳さんのようにカッコいいこと言ってみたいわ。でも、言った後すぐに「すみませんでした、今のはみ〜んなウソ。僕、頭がおかしいんです」と訳の分からない詫びを入れて、取り返しのつかないことになってしまいそうです。
柳さんがデザインしたモノは、見た目の美しさだけでなく機能性にも優れているというのがもっぱらの評判。我が家にもいくつか柳さんのキッチンツールがあるのですが、手鍋なんて注ぎ口からまったく垂れない優れモノです。やっぱり言うだけの仕事したはりますわ。