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Oh my Buddha!It is such a wonderful site that it's unbelievable.
2008年11月01日

アホって気持ちいい!

081101.jpgこのところ自分の頭のキャパシティを超えた かしこ風味な本を読んでいたせいで、完全に脳ミソが固まる。読んでる最中からあまり意味が分からず、自分のIQの低さを思い知らされそうになるのを‘翻訳がヘタ’‘原文がまずい’‘著者がバカ’と、言い訳をつくって必死に回避しました。
誰に対してなのか分からない‘かしこく思われたい熱’が下がってきた時に見つけたのが、『アホアホ本エクスポ』(中嶋大介)というアホ本。デザイナーである著者が趣味でコツコツ集めてきた‘表紙が変’‘タイトルがトンマ’‘内容がズレてる’さまざまなアホな本が紹介されています。
おもしろいです。まず、中嶋氏のアホアホ本をセレクトするセンスが良い。そして、セレクトした本についてるコメントも吾輩のツボをついてくる。
紹介されている本の中で特に気に入っているのは、『和牛の飼い方』と『投網入門』。どちらもかなりハードルが高いことだと思うのですが、パイでも作るような軽いノリのタイトルがつけられています。
それにしても『和牛の飼い方』はひどい。本をパラパラめくっただけで牛を飼っちゃダメでしょ!
『投網入門』も、これから投網をはじめたいと考えているごくごく少数の人に書かれた本なのかと思いきや、「投げない人は、投げるようになってほしい」と、新規ファン獲得をねらっているらしい。
本って社会的信用度が高いイメージがありますが、実はいちばんブッ飛んでいるメディアなのかも知れません。真剣ゆえに生まれるアホなおかしみ、クセになりそうです。

今、恵文社さんで著者とのコラボ企画「AHO AHO EXPO MARKET」が開催されています。ちなみに吾輩は、今はなき小柳ルミ子&大澄賢也夫婦が踊り狂いながら料理をつくるダンス・クックBOOK『ルミ子&賢也の愛の料理』と、ニッポンのサラリーマンが使う‘俺のコレが、アレで、もうコレよ’的なゼスチャーを解説した外国人用ガイド本『70 JAPANESE GESTURES』を購入してしまいました。
何か無性にうれしいです。

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2008年09月15日

60VISION

080915.jpg『60VISION』(ナガオカケンメイ)を読む。普段はビジネス書コーナーに並びそうな本はお説教クサイ気がしてほとんど読まないのですが、この本は「60VISION」発足からのドキュメンタリーということなので、2600円とちょい高めな価格設定にも関わらず買いました。

「60VISION」というのは‘60年代’をキーワードに、昔つくられた品質が良く、シンプルなデザインでながく使えるモノを今の時代に合ったカタチにアレンジして使い手に届ける、ナガオカ氏率いるD&DEPARTMENT PROJECTとメーカーが共同で行うプロジェクトです。
「60VISION」には、カリモクやコトブキ、アデリア、ムーンスター(吾輩的には月星のほうがシックリきます)など10社以上のメーカー(ブランド)が参加していて、魅力的な商品をつくっています。(でも、もうちょい値段を下げてほしい。正直、あの値段を出すなら 頑張って上のクラスのアイテムを買おうと思っちゃうんですよね)

で、本の方もプロジェクト同様すごくおもしろい。ナガオカ氏の好奇心とパワー、そしてメーカーの人たちとの関わり方がヒシヒシと伝わってきます。モノをつくったり企画することを仕事にしている人間にとっては、見習うべきことが多すぎです。特にクライアントと関わる姿勢には頭が下がりっぱなし。
「何でこんなことするかなぁ…」「完全にピント、ズレとんねん」「せかすだけせかしとして、なんで自分はルーズやねん」とボヤき、わめいているだけではダメなのです。
クライアントとはそういうもの。また、そういう状況になっている責任の一端は自分にもあるのです。だから、お互いが良い方向に進むようにアプローチしなければならないのです。
……果たして吾輩はこんな悟り人のような境地に辿り着くことができるのでしょうか。今の吾輩なんか、ブーブー文句垂れて屁こいで寝るだけですから。こんなふうに思える時は、ぜったい死期が近い時です。
しかしナガオカ氏は実際にこのような姿勢で取り組んでいらっしゃいます。すごいです。
それと「60VISION」で感じるのが、アイテムに力強さがあるということ。マーケティングとか効率化といった小賢しい考えからつくられたモノとは、姿は似ていてもまったく別物だということがわかります。
机の上だけでひねり出したモノって、なぜだかすぐ持っているのが恥ずかしくなりますよね。

吾輩はナガオカ氏が経営されているD&DEPARTMENTが好きです。
ここには氏が選んだ‘どこにでもあるけど忘れられたモノ’がいっぱいあって、目からウロコがボロボロ落ちます。はじめて行った時、さり気なくカップヌードルが売ってあって‘カップヌードルってこんなにカッコ良かったのか!’とビックリして、すぐさま買って帰り家に置いたら、やっぱりいつも通りのカップヌードルでした。

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2008年08月29日

憧れの男

080829.jpgこの夏はJ・Jこと植草甚一の『J・J氏の男子専科』という本をカバンに忍ばせて、時間があればチョイチョイ拾い読みしていました。
吾輩にとって植草さんは憧れの存在。
男には年齢に関わらず、いつも‘憧れの男’がいるもので、それは入れ替わり立ち替わり変わる場合や、ずっと指定席に座り続けている場合などさまざま。
吾輩の‘憧れVIP席’にながく座っていらっしゃる方は3人。最初に座られたのはブルース・リー。小学生の時です。そして中学生の時にポール・ウェラー、大学生の時に植草甚一が加わりました。
雑誌「太陽」の特集ではじめて植草さんを知ったとき、そのゴーイング・マイ・ウェイなライフスタイルに目からウコロが落ちました。
豊富な知識、センスの良さ、そして人生の楽しみ方。もうすべてがお手本。あんな風に生きられたらなと思いました。
でも、彼のようにミステリー映画や小説を見て、モダンジャズを聴き、ガンガン買い物をしたところで植草さんに近づいたことにはならないし、自分自身おもしろくない。要は自分の好きなことにこだわる姿勢を持ち続けることがキモなんですよね。
これは‘自由な生き方’とはちょっと違う。植草さんと吾輩では雲と道ばたに落ちている犬のウンコほどの差はありますが、吾輩も自分なりに好きなものにこだわって生きてきたつもりで、これはこれで結構孤独で肩身のせまい思いもしなければなりません。
これはある意味‘vs WORLD’です。できればこのパワーを死ぬまで持っていたい。

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2008年07月13日

人として生きる道

080713.jpg週末、体中の関節が張り、手足がシビレる怪症状におそわれる。
2日目には発熱と持病の偏頭痛も加わり、ほぼデッド状態。
そのせいで家族ぐるみで仲良くしてもらっているファミリーとのホームパーティーが延期になっただけでなく、週明けまでに出さないといけない台本の進行も遅れ、本日半泣きでお仕事。

さて本題。すごいです、この小説。ここ何年かのうちでいちばんの衝撃と感動を吾輩の乾いた心に刻みこんだ作品となりました。電車の中で読んでいることを忘れ、あまりの悲惨さに顔を歪め、あまりの切なさに涙を流してしまったほどです(例えでなく本当に)。
『ザ・ロード』(コーマック・マッカーシー)は、父と子ふたりがカートを押しながら南の地を求めてさまよい歩くという極めてシンプルなロードノベル。でも、その世界は核戦争で崩壊していて、理性を捨て獣になった輩がうろつき、食料も以前存在した文明がわずかに残した缶詰などがあるのみ。そんな絶望的な状況の中、父親は幼い少年を守るために敵と戦い、水と食べ物を得るために奔走するといった、『マッドマックス2』 meets 『子連れ狼』な話が繰り広げられます。
この作品を書いたのは、トマス・ピンチョンやドン・デリーロとならび現在のアメリカ文学を代表する作家コーマック・マッカーシー。コーエン兄弟が監督してアカデミー賞を獲得した『ノーカントリー』の原作『血と暴力の国』を書いた人です。とまぁ知ったかぶって書きましたが、彼の作品を読むのはこれがはじめて。『越境』が出た時に気になってはいたものの、何かC.W.ニコルみたいな感じがしてスルーしてました。
マッカーシーの文体は心理描写を排した超ミニマルなものなのに父と子の心の内が痛いほど伝わってくるし、朽ち果てた世界も目の前にあるように浮かび上がってきます。そしてラストの美しいこと!
傑作です。この作品を子どもを愛するすべての人にオススメします。

この小説を読んでいる間ずっと頭に浮かんでいたのがゾンビ映画。作中登場する理性をなくした人間というのが、まさにゾンビなんです。
ゾンビ映画といえば昔は笑いながら観る映画だったのに最近まったく笑えなくなったのは、現実の世界があんなふうになってもちっとも不思議でない状況だからだと分かりました。もし何らかの理由で文明が崩壊した時、多くの人が理性を捨てゾンビ化することはまず間違いないでしょう。というか、もうすでに今ゾンビ化する内的因子が人間の中にあるかもしれない。
それに地球温暖化の影響で人を狂わすウイルスが発生する可能性だってないとはいえないんじゃないでしょうか。
そんなゾンビワールドになった時、自分はどう生きるのか?
吾輩はとりあえず鞍馬山に避難しようかなと思ってます。なので皆さんは他のところに逃げてください。
…吾輩、ゾンビ化はじまってます?

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2008年06月21日

うれしい読み間違い

080621.jpg‘子どもへのプレゼント’という名目で、自分が欲しいものを買うセコ技をつかうことがしばしばあります。
今回ピックアップする『こっぷ』という絵本(写真本)もこの技を駆使してゲットしたアイテム。
文・谷川俊太郎、写真・今村昌昭、AD・日下弘というすごい面子によってつくたれた本なんですが、そんなことよりも この表紙を見たら誰だって欲しくなりますよね。
‘遊び心’というひと言では片づけられない、ソフトマシーンやピンク・フロイドのファーストアルバムなどに通じるストレンジな魅力があふれています。ちなみに『こっぷ』も、これらのアルバムとだいたい同じ時代につくられたものです。

中身は谷川氏が手掛けた他の絵本と同じように超ミニマル。(て、数えるほどした読んだことないですが)
シンプルな文なのになぜか頭に残る、まさに言葉のマジックです。
写真はカワイイといえばカワイイんですが、見ようによってはけっこう怖かったりする。
そんなド渋な本なのでおそらくおチビは関心を示さず、そのまま吾輩のものになるなと内心ほくそ笑んでいたのですが、大きな読み間違いでした。
えらく気に入ったようで、何度も‘読め’というお達しがくだります。なのでおチビは自分の本棚の定位置にこの本がないとご機嫌ななめ。
まぁ、ホントはこうなってくれて嬉しいんですけどね。

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2008年05月22日

ディープです

080522.jpg今、『中原昌也 作業日誌 2004→2007』(中原昌也)に夢中です。
こんなに痛い本を読んだのはいつ以来でしょうか。
内容は、中原氏のその日の出来事や気分を書いただけなんですが、文章というかインクの乗った文字からヌラヌラにじみ出てくる苦悩や絶望が圧倒的なため、ほとんど毎日同じことが書かれているだけなのに読むことを止めさせない磁力を持っています。
毎日繰り返される買い物(ほぼ100% レコード&CD、DVD)と朝までつづく飲みのネバーエンディングストーリーは‘凄まじい’の一言。東京の業界の人って、こうなんスか?
読みはじめた時は彼が購入したアイテムや交友関係なんかを垣間見ることができて楽しい気分になるんですが、次第に彼の苦悩が伝染してこっちまでブルーな気分になり、やがてそれを通り過ぎるとどうしてだか‘自分もがんばろう’とポジティブな気持ちなってきます。(ご本人はかなり辛そうですが)
生きるために死ぬほどイヤなこと(小説執筆)をしなければならない矛盾に苦しむ様は人によっては「贅沢な悩み」ってことになるんでしょうが、マイケル・ジャクソンと互角に張り合える買い物ぶりと連夜の飲み歩きぶりを前にすると、彼が何かと戦っているように思えてなりません。でもやっぱり度が過ぎている…。
いやホント、吾輩には‘お身体に気をつけて’としか言えません。

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2008年05月01日

デカ信奉

280501.jpg度を過ぎた大きいモノは、人の思考能力をストップさせる魔力を持ってます。叶姉妹のバストや洋モノのエロ本に登場する巨大ディックを目の当たりにすると、それが良いのかどうかという問題を超えてボォーと見てしまうのもこの魔力のせいです。
それは建物でも同じ。尋常じゃないデカいモノや高いモノを見ると、ワケもなく拝みたくなってしまうのは吾輩だけではないはず。
ただ対象が人工物の場合‘何でこんなデカいモノをわざわざつくったのか?’という疑問がわいてきて、急にトンマなモノに見えてきます。このように見る者を我に返さないようにするのがデザインであり、土地の歴史であり、スポンサーのメッセージであったりします。
今、『巨大建築という欲望』(ディヤン・スジック)という本を読んでいるのですが、なかなか濃い内容で引き込まれています。建物の外見について語るのではなく、巨大建築物の持つ魔力を意識的に利用した独裁者や富豪、政治家などの野望、そしてこれらの権力者に近づく建築家の思惑にスポットライトを当てているところがおもしろい。
この本を読んでいて思うのは、人間はちょっとやそっとでは変わりようがないこと、いくら賢そうなフリしても所詮単純な生き物だということです。
だって、コンピューターやら何やらを使って難しいことをする現代でも、‘デカいモノが偉い!’という何万年も前からある価値観に取り憑かれているワケですから。
吾輩だって黒人様の巨大ディックと比較されたら、しょんぼりしてしまいますもん。黒人基準でいえば吾輩のモノなど、小学生レベルじゃないでしょうか。…何だか無性に哀しくなってきました。(どうでもいい話ですが、故横山ノック先生はそれはそれは素晴らしいモノをお持ちだったとか)
まぁそんなことで、皆さんも巨大なチ◎コ…ではなく建物を見たら、その裏に隠されているメッセージを読み解いてみるのも楽しいんじゃないでしょうか。

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2008年04月22日

中2病のすすめ

0804224.jpgいよいよ引っ越しが近づき、荷造りも本格化。
いろいろなアイテムをダンボール箱に詰めていくワケですが、いちばん厄介なのが本。とにかく重い。
引っ越し屋さんから渡されたガイドブックに「あなたが持てない物はスタッフも持てません」と、こっちの人間性に訴えるいやらしいコピーが書いてあるため、小サイズの箱でも7割程度しか入れられず、箱の量がドンドン増える現象が起こっています。さらに心やさしい吾輩はいちいち‘これくらいだったらスタッフさんの腰に負担をかけないかなぁ’‘いや、吾輩とちがって屈強な肉体をお持ちだろうから、もうちょっと詰めさせてもらおうか…’とバレないようにコソッと入れたりみたり、日々ガラスの神経をすり減らせています。

さて、荷造りをスムーズに進めるコツは容赦なく要るものと要らないものを判別することですが、実際はなかなか簡単にいきません。
本を手に取るたびに‘こんなの買ってたなぁ’‘アレッ、これ どんなストーリーやったっけ?’と、ペラペラめくってしまう始末。そんな中で気づいたのが、学生の頃に買った本は小難しいものや尖ったものが多いこと。トマス・ピンチョンやドナルド・バーセルミなどのポストモダンな小説やビートニク関連の本など、今ではチンプンカンプンどころか読む気さえ起こらないものばかり。ブルース・リーは「考えるな、感じろ」と仰いましたが、感じるとっかかりすらつかめましぇん!
まぁ学生の頃もチンプンカンプンだったんでしょうけど、「ちがいの分かる男になりたい」という思春期特有の熱があったように思います。
一部のネットではこういう症状を「中2病」というそうですが、吾輩の場合は少し遅れて高校生〜大学生の頃にかかってました。ちなみに中学の頃は、意味もなくイキリたがるサングラス病にかかってました。(修学旅行の写真を見ると、真っ暗な中で行われているキャンプファイヤーで黒々としたサングラスをかけている吾輩の勇姿が写っています)
そんな中2病の頃に比べると少しは自分なりのスタンスで本を選べるようになったように思いますが、もう1回くらいこういう病にかかってみたい気もします。

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2008年02月27日

エロの敵は誰だ?

080227.jpg実はこの5年ほどエロ本を買ったことがありません。AVビデオやDVDもただの1本たりとも所有していません。
この客観的な数字を見れば、吾輩が日本の男性の中でかなりのジェントルマンに位置していることがお分かりいただけるでしょう。
そうです、吾輩を変態呼ばわりする皆さん、あなたの方が確実にやらしいんです!
そんな汚れを知らない天使のような吾輩ですから、現在誰が人気女優なのか、どんな流行り企画があるのかまったく知りません。
いくらなんでもこれでは社会人として恥ずかしいので、仕方なく『エロの敵』(安田理央、雨宮まみ)という本でお勉強することにしました。
吾輩はイヤイヤながらもたまに書店やコンビニのエロ本コーナー、レンタルDVD店のエロ棚をチェックしている努力の人なので、大まかな動向は何となく感じとっていました。しかし、この本を読んで‘なるほど、そうだったのか!’と膝を打つこと数知れず。ホント、タメになりました。

今のエロ業界を乱暴にまとめると、ネットの出現によってエロにお金を出す殿方が激減し、さらにエロにお金を出す人の趣向が多様化・細分化したため、採算がとれなくなってきている状態といえるでしょう。
さらにユーザーの絶対数が減少する反面、作品のクオリティーはひと昔前では考えられないような高いものが求められ、制作者は八方ふさがりな状況に陥っています。
こういう状況だから制作サイドは売れる作品を作らざるを得ず、自ずとユーザーの意見を重視した作品が大半を占めるようになります。しかし、ユーザーの意見を多く取り入れた作品が素晴らしいAVになるかというと必ずしもそうではありません。逆に画一化された没個性な作品になってしまうケースが多々あります。
最近のレンタル物はユーザーのニーズを突き詰めた実用主義に走っています。つまりストーリーやシチュエーションはそっちのけで、ただひたすら発射するためのシーンがブツ切りで収録されているのです。この傾向は‘エロとはシチュエーションなり’と考える吾輩にとってはエロ心の退化にしか思えません。
何の脈絡もなくいきなり男女が絡み合う、これのどこにエロチシズムがあるの?
そのくせプレイ自体には様々な要望があるようで、最近では男優の姿や声が極力入らないようにすることがお約束になっています。(まったくこれじゃ、我らが鷹アニィの出番はないじゃないの!)これは見る者が感情移入するためなんですが、それと相反するように先ほど申し上げましたプレイする場を取り巻く世界観がスッポリ抜け落ちているんですよね。
これは男のエロ心が動物化していることを意味しているんじゃないでしょうか。実際、妄想が入る余地がない見たまんまの映像が求められるため、プレイはどんどん激しくなっています。
女性の方に分かりやすく説明すると(えっ、とっくに読むのやめてる?)、ソースをかけずにフランス料理をバクバク頬ばる男のようなものです。こんな品というか知性のない男とデートするのはイヤでしょ。
本のタイトルになっている『エロの敵』とは何なのか?
それは決してひつに絞ることはできませんが、想像力を欠いたエロ心も大きな敵になっているんじゃないでしょうか。
最後にもう一度いっておきますが、吾輩はこの5年間エロ本を買ったことがありません。そしてAVビデオ・DVDもただの1本たりとも所有していません。

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2008年01月31日

シャシンに萌え

080131.jpgこの表紙に吾輩のピュアなハートがキュン!と来て、そっこうレジへ。
帰ってつれ合いに見せびらかしたところ、‘思いっきりガーリーですやん!’と冷やかされる。確かに日頃 猫も杓子もガーリーな世の中にチンタラ文句をいっている。確かにつれ合いにこの雑誌を見せる時、‘めっちゃカワイイやろぉ〜’とキモい声を出してしまった。でも、キュンと来たんだから仕方がない。‘ミイラ取りがミイラになった’というご批判も甘んじて受けましょう。
で、中身は「シャシンの教科書」特集。2年ほど前に一眼レフユーザーになったものの一向に上達しない吾輩にはもって来いの内容。
パラパラ、ページをめくってみる。うん、これはいい! 小難しい解説文は一切なく、第一線で活躍するカメラマンの写真が手本になっていて、写真を撮ることが楽しく思える内容になっています。吾輩は説明書の類がまったく読めないタイプなので、こういうガイドは嬉しい限り。
常々思うのですが、説明書やマニュアル本ってもうちょっと楽しくできないものですかね。確かに情報伝達という第一の目的はあると思いますが、まず読者を読む気にさせないと何にもはじまらないんじゃないでしょうか。
これは学校の教科書にもいえること。教科書って何であんなにおもしろくないんでしょ。そら足利尊氏や豊臣秀吉の顔に落書きするわ。そういう意味では、吾輩は超優等生でした。吾輩が生み出したエログロな源頼朝は‘モナリザ’を超えたとまでいわれましたから。(この名画を見た親はなぜだかうなだれていました…)
これからは従来の教科書を副教材に格下げして、メインの教科書は情報量おさえめ、楽しい切り口と語り口&イカすデザインで、子どもが興味を持てるようにした方がいいんじゃないでしょうか。その方が結果的により多くのことを吸収できる気がします。
何か良いこといってる気になってきました。これで美味しく珈琲が飲めそうです。

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2008年01月10日

『へうげもの』

080110.jpg仕事場近くの本屋さんで やたらプッシュしていて目につくのが『へうげもの』というマンガ。
日頃マンガはほとんど読まないし、他に欲しいものがいっばいあるのでスルーしていたのですが、本屋に行く度に‘そんなこと言わんと、いっぺん読んでみなはれ’という声が聞こえてくるので仕方なく手に取ってみる。
あれっ、これ『デカスロン』の作者(山田 芳裕)じゃないの。ということは、おもしろいかも。そういえば以前、誰かからおもしろいとすすめられていたような。
買うか買うまいか考えること3日。悩みに悩んだ末、大晦日の夜 5冊一気に購入。自分でも惚れ惚れする男らしさです。

お正月、偏頭痛のしんどさがましな時にポツポツ読み進める。なかなかおもしろいです、これ。たぶん、しばらく読みつづけるでしょう。
ストーリーは、実在の戦国武将 古田織部が数寄の天下一を目指すという いわゆるグローイングアップものなんですが、そこにイマ時のコレクター心を盛り込んでいるのがミソ。
そして、好きなことを仕事にしてしまった人間にとっては、仕事と趣味の間で揺れる主人公の心持ちがビシビシ伝わってきます。信長・秀吉・家康・利休と、強烈な個性を持ったキャラの隙間をぬって自分の居場所をつくろうとするところなんか、かなりリアル。(といっても、古田織部は吾輩と違ってデキる人ですが)
この作品がどれだけの人気なのか知りませんが、『度胸星』のようにはならないでほしいなぁ。

とあるサイトの「へうげもの占い」をしたら、明智光秀・開運アイテム‘ふんどし’と出ました。

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2007年12月21日

アンディ・サマーズ自伝

071221.jpgポリスのギタリスト、アンディ・サマーズの自伝『ポリス全調書』が、めでたく日本でも出版されました。
ファンでない人が読んでおもしろいかどうかは分かりませんが、少しでもポリスに興味のある人なら楽しく読むことができる好著です。(イギリスでは「ベスト・ミュージック・ブック」を受賞したとか)
ポリスといえばニューウェイブを代表するバンドですが、アンディ・サマーズはアニマルズに参加していたこともある、かなりオールドエイジなミュージシャン。だからタイトルは『ポリス全調書』となっていますが、半分以上はポリス加入前のエピソードで構成されていて、これがやたらおもしろい。
何しろ当時つるんでいたミュージシャンというのが、エリック・クラプトン、ソフトマシーンの面々、ジミ・ヘンドリックス、ロバート・フリップなど、いずれもロック史に名を残す強者ばかり。クリームのデビューアルバムでクラプトンが使ったレスポールは彼から譲り受けたものだったとか、ジミヘンの『ボールド・アズ・ラブ』を関係者以外で最初に聴いたのが彼だったというような楽しいエビソードが次々に出てきます。
アンディ・サマーズは一見気むずかしそうに見えますが、実際はかなり人なつっこい性格で、いろんな人と仲良くなる才能を持っている人のようです。しかもビートニクやヒッピーカルチャーの影響をもろに受けていて、ギタリストとしてのキャリアを捨ててアメリカで隠遁生活を送ったりしたことも。
そんな浮き沈みの激しいキャリアを送ってきた彼ですが、ずっと一貫しているのは自分のプレイスタイルを追求してきたこと。クラプトンやジミヘンがブレイクした時、多くのギタリストが彼らのスタイルを真似て売れてゆく中、彼は頑なに自分の好きなジャズやインド音楽などを取り入れたスタイルに磨きをかけていた。こういう芯の強い人を前にすると、ハハァーッと頭を下げてしまいます。
あと、序文にU2のエッジが寄稿しているのも何かジーンときます。U2といえば、ポリスの後を受け継ぐようにビッグになったイギリスのバンドで(U2は正確にはアイルランド出身ですが)、エッジはアンディ・サマーズと同じようにソロプレイではなくバッキングで個性を出すギタリストですからね。

さてさて、アンディ・サマーズはソロアルバムも数多く出しています。吾輩のオススメは、ロバート・フリップとの共作『心象表現』。これは傑作です。アンビエント色の強い『ミステリアス・バリケーズ』や『ゴールデン・ワイヤー』もかなりグッドです。この辺の作品はスティングのソロより、よっぽど聴いています。

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2007年12月08日

『パンク侍、斬られて候』

071208.jpg布袋にボコられた町田康の『パンク侍、斬られて候』を読む。
やっぱり この人の小説はおもしろい。よくタレントやミュージシャンが小説を書いたりしますが、全然モノが違う。こっちは本物。
何がそんなにすごいのかというと、まず町田節というべき独特の語り口がおもしろい。
すこぶる調子良く読むことができ、随所で声を出して笑ってしまう。これは、リズム感や言語感覚といった天賦の才能にとことん磨きをかけた賜物でしょう。
内容も、普段見て見ぬふりをして心の奥底に隠している考えや感情をチクリチクリと突いてくるので、気軽に流し読むことができない。
初期作品は実体験をベースにした話を絶妙の語り口に乗せて語るスタイルでしたが、最近の作品はその語り口を利用して虚構の世界を作り上げるスタイルに変わってきたように感じます。
初期のスタイルだと読む方はどうしても町田康という人間を頭に置いて読むため、ストレンジワールドに行く三途の川で現実に引き戻されたのですが、近頃の作品ではその足枷がないため作品の世界にズブズフ入っていける。
『パンク侍、斬られて候』もメタフィクション的なところが少しうるさいものの、摩訶不思議な世界の住人になって楽しむことができました。
次の『告白』になると本作よりさらに洗練されていて、ホント すごい小説になっています。
布袋のパンチが町田の創作にどのような影響を及ぼしたのか、はやく新作で確認したいものです。

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2007年10月28日

20世紀最大の妖怪

071028.jpgヒトの歴史がはじまって以来、古今東西 数多くの奇人・変人が現れては消えていきました。その中で、20世紀を代表する奇人にエドガー・フーバーを挙げる人は少なくないでしょう。
この人は、盗聴マニア・女性差別者・人種差別者で、さらにマフィアと癒着しながらアメリカ連邦捜査局(FBI)長官の座に50年間もの間 居座りつづけた妖怪です。
生前は正義の番人として多くのアメリカ国民から尊敬されていましたが、彼の死後 真実を明かすさまざまな証言や資料が現れ、アッという間にアメリカを騙しつづけた陰の支配者というレッテルを貼られることになりました。

そんなフーバーの一端を垣間見ることができるのが、『FBIフーバー長官の呪い』(マルク・デュガン)という本。この本は、FBIのナンバー2でフーバーの愛人でもあったクライド・トルソン(男)が死の目前に書き残したメモをまとめたノンフィクション。でも、そのメモが本当にトルソンによって書かれたものなのかは不明なのだとか。(何じゃ、それゃ!)
それでもまぁ、中身はなかなか面白いです。トルソンの立場が立場だけにかなり一方的で 歪んだ見方になっていますが、ニュース番組や映画で知った出来事の知られざる背景が見えてきます。まさに点が線になるという感じ。メモがトルソンのものでないとしても、‘そうなのかも’と思わす説得力がある。
しかしフーパーという男、警察機関のトップでありながら‘それはあかんでしょ’ということを平気でやっちゃう。人格のある一面においては、完全に壊れてます。
歴史を左右する出来事に、彼のねじれ曲がった妄想が少なからず影響していたのかと思うと恐ろしくなってきます。ホント、妖怪です。

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2007年09月24日

『ハリウッド ムダ脱ぎ女王選手権』

070924.jpg前回のエントリーでシェリル・リーの脱ぎに触れた矢先、ピッタンコな本が発売されているのを見つけました。タイトルは『ハリウッド ムダ脱ぎ女王選手権』。内容はタイトルそのまんま、主に90年代以降のハリウッド女優をターゲットにして、ムダ脱ぎを連発している人をランキングするという代物。中盤の80年代女優特集もナイス!(どのコーナーも写真満載なのが嬉しい!)
はっきりいって下世話です。でも(だから)、面白い。ということで、買いました。
でもさすがにレジのお姉さんに差し出すのはちと恥ずかしかった。ある意味エロ本を買うより恥ずかしい。何か、本気でヌード写真目当てで買ってると思われたらどうしようという、言い訳と申しますか自己防御システムが作動し、表紙を内側に向けてレジまで持って行き、裏向きにして出そうと思ったのですが、そっちの方が余計にスケベっぽく思われるおそれがあるので、男らしく威風堂々と差し出しました。
中身は期待通りなかなか面白かったのですが、もう少し‘ムダ脱ぎ’の定義をはっきりさせてランキングを付けてほしかったですね。そうすればハリウッド女優のサバイバル戦略、ハリウッド映画の作られ方なんかがあぶり出されて深みが出ていたんじゃないでしょうか。
何てったってランキングの1位はモニカ・ベルッチですからね。彼女は別にムダ脱ぎじゃないでしょ。
ムダ脱ぎというなら、『イン・ザ・カット』のメグ・ライアン、『ソードフィッシュ』のハル・ヘリー、『氷の微笑2』のシャロン・ストーンあたりだと吾輩は思いますが。
そんことを差し引いても面白いので、ぜひともこの企画で邦画版もつくってほしい!

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2007年08月25日

心躍るディスクガイド

070824.jpg吾輩はいろいろなアルバムを紹介するディスクガイドが好きでして、新しいディスクガイドが本屋さんに置いてあるとすかさず立ち読みし、気に入れば購入します。
ディスクガイドを大別すると、情報量を売りにした「データベース型」と、編者のチョイスを売りにした「プライベート型」に分けることができるかと思います。
昔はデータベース型が多かったのですが、音楽の多様化・細分化が進み、1冊にまとめることが難しくなったため、最近ではプライベート型が大半を占める傾向に。
別にそのこと自体はいいんですが、首を傾げたくなる代物が多いんです。まず、本の内容と文章がマッチしていないものが目につく。データベース型は資料的な要素があるため、紹介文も客観的なスタンスが必要となりますが、プライベート型は編者の切り口を楽しむわけですから、入れ込んだ内容の文章にしなければなりません。そうでないと、ただの中身の薄いガイド本になってしまいますから。こんな当たり前のことが結構おさえられていないんですよね。名前は出しませんが、名のある編集者が手掛けているディスクガイドでもこういうのがあったりします。そんな中で、吾輩が気に入っているプライベート型のディスクガイドを2冊ご紹介しましょう。
1冊目はFARR氏と北浦知司氏が編集・ライティングを手掛けた『Bound for Everywhere』。この本は2人が設定したテーマ毎にさまざまなジャンルのアルバムがピックアップされていて、かなり楽しい内容になっています。それに音楽への愛が感じられるところもいい。ただ、すごく読みにくいレイアウトなのが残念。
そして2冊目が『スタジオボイス』の元編集長で音楽ライターの松山晋也氏が監修をつとめた『プログレのパースペクティヴ』。‘プログレ’というタイトルがついてますが、いわゆる70年代に流行ったプログレッシヴ・ロックではなく、革新的な音楽という意味合いでビートルズからマイルス・デイビス、エイフェックス・ツインまで幅広いジャンル〜アーティストの作品が集められています。純粋なプログレファンからは反感をかいそうなラインナップですが、吾輩にとっては知っているアルバムでも‘こういう見方もあるのかぁ’と、新たな発見のできる刺激的なディスクガイドです(表紙は野暮ったくていけませんが)。この本みたいなセンスで‘アンビエント’版をつくってほしいなぁ。いや、一度自分でつくってみたい。

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2007年08月18日

レトロフューチャーなソ連

070818.jpg『Pen』の特集「宇宙へ。」号、おもしろかったです。子どもの頃のように‘宇宙ってすごいなぁ’‘宇宙ってどないなってんの?’と、ワクワクしました。

ところで、宇宙に関しては皆さん独自の説をお持ちだと思いますが、吾輩は「巨人〜顕微鏡説」をとなえています。これは、全宇宙は巨人が使っている顕微鏡のプレパラートだというものです。スライドガラスの上にカバーガラスを乗せた瞬間、間にある宇宙がブチュ〜と押し広げられる、この状態がビッグバーン。
ビッグバーンにより宇宙が誕生して200億年もの時間が流れたとされていますが、巨人にしてみればそれは1秒にも満たない瞬間というわけです。この説、かなりの確率で当たってると思うんですけど、どないでしょ?
〈体の大きさと体感時間に関しては『ゾウの時間 ネズミの時間』(本川達雄)、宇宙の入門書ではアポロ計画に深く携わった学者ロバート・ジャストロウが書いた『壮大なる宇宙の誕生』『太陽が死ぬ日まで』という本がすごくおもしろいので、機会があれば読んでみてください〉

さて、話は『Pen』に戻りまして、この特集はソ連の宇宙開発を大きく取り上げているところがとってもナイス。いいですね、ソ連という響き。ロシアというと、オシャレ感が出てどうもいけない。やっぱり、ソ連です。
で、おもしろいのは、宇宙開発といえば人類の叡知を結集した最新技術が駆使されているはずなのに、これがどこからどう見てもアナログ感漂うレトロフューチャーな世界なんです。映画『未来世紀ブラジル』も真っ青というカッ飛び具合。そういえば、初めて有人飛行に成功したロケットに搭載されていたコンピューターって、初代ファミコンより性能低かったんですよね。これで本当に宇宙に行っちゃうんだからすごい。気合いでしょ、これ。
ちょっとソ連のファンになりそうです。

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2007年07月07日

タキヤン ツイスト

070706.jpg映画『ゾディアック』に惚れ込み、さっそく原作本に挑んだものの、なかなかはかどらない。最近悩まされている偏頭痛のせいか、はたまた出来の悪い知能指数のせいか。(小学生の時に受けたテストは、間違いなく悲惨な結果だったと思われます)
そんな時、ひょいと本屋をのぞいたら、タキヤンこと滝本誠の新作『コーヒーブレイク、デイヴィッド・リンチをいかが』を発見。タキヤンっていったら、ついこの前『渋く、薄汚れ。ノワール・ジャンルの快楽』を出したばかりじゃなかったっけ。『渋く〜』は吾輩の興味領域から微妙にずれていたのでスルーしたが、今回はデヴィッド・リンチがテーマだけにじっとしていられない。
まずはいつものように‘あとがき’から読みはじめる。(ややこしそうな本を読む時は、これに限る)
すると、今回の『コーヒーブレイク〜』がわずか2カ月半で書き上げられたことがカミングアウトされている。文字数にして約12万字。これはなかなかの卍地獄。(でもこの数字、日割りしたら1600文字。つまり原稿用紙4枚。質はともかく量的には吾輩もこれに近い量を書いているような…)
ハイ状態で書いていらっしゃるせいか、いつもに増してツイストした内容で、ついていくのがツラいッス。でも、いい歳してはしゃぐオッサンの姿が微笑ましく、何だかこっちまでパッピーな気分になってくる。これはデヴィッド・リンチへの愛にあふれた奇形のラブリー本です。

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2007年06月15日

ケッチャムで泣く

070615.jpgんん〜ん、おぞましい。オッサンのイボ痔ではなく、ジャック・ケッチャムの『襲撃者の夜』のことです。
‘何もそこまでせんでも’と声が出てしまう、えげつない場面がワンサカ出てくるんです、これ。
この作品はケッチャムのデビュー作『オフシーズン』の続編で、皆殺しにされたと思われていた食人族に実は生き残りがいて、新たに家族をつくって暴れまくるというお話。
はい、間違いなくPTAのママさんに総スカンを喰らう代物です。故にすこぶるおもしろい。いや、コワい。
でも、母親が子どもを守ろうとするところなんか、そんじょそこらの‘泣ける小説’より感動するんです。吾輩は、母親がアタマに斧をブチ込まれるのを覚悟して食人族にタックルする場面で泣いてしまいました。いやぁ、女性は強い!それに比べ、男は何と弱くて情けない生き物か。
こんなにエグくて、コワくて、泣かせて、おもしろい小説を書けるケッチャム、ホント凄いです。

アメリカではつい最近まで彼の作品はごく少数のマニア本でしか読めなかったとか。それに比べ日本はコンスタントに文庫本が出ていますよね。本が売れない売れないといわれる中で、こんなカルト作家の作品が普通に売られている日本って、不思議な国です。

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2007年05月25日

能楽が来たッ!

070525.jpgここのところずっと、新たに熱中できる趣味を探していました。
条件としてはオタク的な好奇心を駆り立て、お金のかからないもの、それでいてスパイスの利いているもの。自転車でも良かったのですが、わざわざ趣味にしなくても毎日けっこうな距離を走っているのでスルー。
熱帯魚……間違いなくお金がかかるし、水槽を置く場所もない。Nゲージ……先に同じ。石……つげ義春の漫画で石愛好家の話があって面白そうだなと思うものの、石ころをどう好きになっていいのか見当がつかない。
とまぁ、こんな感じで悶々とした日々を送っておりました。そんなある日、子どもと一緒にNHK教育の「にほんごであそぼ」を見ていたら、野村萬斎が「千鳥」という狂言の演目を面白おかしくアレンジしてプレイしていました。これを見てビビッと来ました。新しい趣味は能楽で決まりです。奥が深そうだし(当たり前ですね)、真似てもすごく面白い。そういえば小さい頃、自分が狂言師の子に生まれていたらいい線いってたのになぁと、何の根拠もなく悔しがっていたことを思い出しました。
さっそく基礎知識を身につけるために買ったのが、この『はじめての能・狂言』という本。能と狂言について分かりやすくレクチャーしてくれ、なおかつ「能楽の切手特集」なんていうミニコーナーも楽しく、あっという間に読み終えました。
さて、次はいよいよ舞台観賞。デビューは平安神宮で行われる「京都薪能」に狙いをつけています。

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