目覚めよ、漢!
去年の暮れあたりから元気がありません。普通ならどんなに調子が悪くても2〜3日周期でお腹の下から突き上げてくる衝動があるのですが、最近はナマズのヒゲがピクリと動く程度。そんな自分を受け入れることができず、一人精を出しています。
「奮い立て、オレの中の大和魂よ!」と自分に喝を入れるために観たのが、大橋未久チャンではなく『スーパーフライ』。この映画はドラッグディーラーが自由を求めてハーレム脱出を企てるというブラックムービーの代表作なんですが、完成度はさておき、とにかく主人公のプリーストがイカすんです!
登場シーンからいきりスッポンポンで美女(実際は微妙)を“抱いて”いるのですからたまりません。どうでもいいことかもしれませんが、この時のプリーストの股の広げようと局部隠しのシーツは絶妙です。
中盤にもお風呂でガールフレンドを“抱く”シーンがあるのですが、これが胸焼けするくらい濃厚。黒光りするすべすべお肌、ボリューム満点のヒップ、チロチロ動く舌…あんまり書くとまたまた女性読者が減るのでやめておきますが、途中からエロというより、きれいな馬の交尾を見ている気分になってきます。
エロの他にこの作品の大きな魅力になっているのがファッションや車などのアイテム。錦ゴイのようなコートを着こなし、無駄にデカいキャデラックを乗り回すプリーストのカッコいいこと! これぞ、漢(おとこ)です!
でも、プリーストと銭湯で出くわしたら絶対に心もカラダも萎縮するのは間違いありません。そう思うと元気のない吾輩の小姓が可愛く思えてきました。
B-BOY&B-GIRL
“伝統と革新の融合”というスローガンはいろいろなフィールドで掲げられていますが、それは仏像の世界も例外ではありません。従来の教科書的なスタンスで“ありがたみ”をアピールするだけではほとんどの人が関心を示さず、存在自体が忘れ去られてしまうことになる可能性だってないとは言えません。仏像の魅力や伝統文化を伝えるためには少なからず今の時代に響くアプローチが必要です。“そんな軽いことできるか!”というご意見もあると思いますが、困っている人のところまで行って救いの手を差し伸べてくださる仏様もいらっしゃるのですから、時代に合わせてアプローチ方法を変えるのは仏像さんたちもOKなんじゃないでしょうか。それに奈良は「せんとくん」を生み出すようなアグレッシヴな姿勢を持っているので問題ありません。
そういう意味では、JR東海のキャンペーンCM「うまし うるわし奈良 東大寺〜戒壇堂篇」は四天王を前面に押し、頭の中で「スモーク・オン・ザ・ウォーター」が爆音で鳴り響くロックテイストあふれるナイスな仕上がりになっています。
四天王とは仏様を守る異能精鋭部隊。みうらじゅん氏はその出で立ちをしばしばロックバンドに例えていますが、東大寺の四天王は数ある四天王像の中でもとびっきりの重厚感を誇る大御所バンドです。特に世の中のすべての苦悩を背負い込んでいるような顔をした広目天(ベース)と多聞天(ドラム)の深みは尋常ではありません。普段は派手な増長天(ボーカル)と持国天(ギター)に目がいきがちですが、ここはベースとドラムが目立つモトリー・クルー状態になっています。
ところで近頃ひしひしと感じるのが大物ロックバンドの高齢化。ストーンズのメンバーは70近くだし、ニューウェイヴといわれる人たちも今や立派なオールドエイジ。彼らのようなスケール感のある若い世代というのもそれほど出ていないようだし、もはやロック自体が若者のカルチャーではないのかも知れません。
ということで仏像界も今後はロックテイストだけでなくストリート感覚を取り入れたアプローチをとるのもいいんじゃないでしょうか。まずはパイオニアがダンサー仕様のオーディオに力を入れているのに乗っかって、ビートの利いた声明で踊ったり、街中でラップのようにお経をあげるB-BOY&B-GIRL(「B」はもちろんBUTUZOUの「B」)が現われるシーンをつくってはどうでしょう。
子どもの遊び
新年明けましておめでとうございます。
日本は相変わらず大きな停滞感・閉塞感につつまれており、我が家においてもどういうワケか年末ジャンボがハズれるという予想外の事態が発生して慌てふためくことになりましたが、へこたれずにがんばっていきたいと思います。
さて、年末年始の休暇は比較的ゆっくりとれたのですが、当然のことながら大掃除・実家への挨拶・子どもとの遊びで終了。
子どもがトランプのババぬきと七ならべをおぼえ、狂ったようにプレイ。(神経衰弱は夫婦間で大人のプライドをかけた静かな戦いが繰り広げられ、微妙な空気が漂うため回避)さらにお年玉で買ったリカちゃんのサーティワン アイスクリーム ショップを中心としたリカちゃん祭りが繰り広げられ、そのお付き合いでヘトヘトに。
気力が限界に近づいたのでホンマもんのサーティワンへ行って、お気に入りのバニラonバニラを食べて息抜きをする。家に帰り再開されたリカちゃん遊びを見ていると、リカちゃんだけでなくシルバニアファミリーと木の人形をゴッチャにして遊んでいるではありませんか! 子どもの頃友だちとガンプラで遊ぶ時、スケールの違うものを平気で一緒にするヤツにイラッときていた吾輩としては黙ってスルーするワケにもいかず理由を聞くと、何と、リカちゃんの見ているテレビでシルバニアファミリーを放送していて、シルバニアファミリーが木の人形で遊んでいる設定だという答えが返ってきてビックリ。子どもって無意識にすごいことしをているもんですね。
こういう感覚は大人になるとある程度訓練していないと消えていくもので、先日某バラエティ番組を見ていたら明らかに作り手の中で虚構の階層が整理されておらず、担当した放送作家は日頃本を読んだり落語を聞いたりしていない人なんだなとガッカリしたばかり。
でもうちのおチビの場合はいちばん下の階層である木の人形の世界に夢中になり、上の階層でリカちゃんの友だち役を担当している吾輩は待ちぼうけをくらう『インセプション』状態でした。
posted by ichio : 22:30 | | trackback (0) | 2011年12月08日絶望を楽しむ
歴史に名を残す偉人たち、自分の目指す道で成功する人たちは、「絶対にあきらめない」というネバーギブアップ精神を持っていると同時に、常識という物差しではかれない執着心の持ち主でもあります。普通の人間はそんな境地に行き着く前にあきらめたり逃げたり知らんぷりをして、安住の地へ引き返します。
メディアや交通が発展し、すぐれたものに出会う機会が多い今の時代、刺激を受けることが増えた反面、“もう出つくした感”によるトンズラ傾向も強くなっているんじゃないでしょうか。
話はズレますが、吾輩はFacebookでいろんな人がアップする出来事を鼻をほじりながら眺めていると、みんなとんでもなく楽しくて充実した毎日を送ってるような気がして言いしれぬ不安を感じてしまう有様です。自分も負けずに‘今日食べた○○のチーズケーキ、超ウマい!しあわせ〜’とアップしようかなと思ったりもするのですが、‘それがどうした’という脳内ツッコミが入ってスゴスゴ引き下げてしまいます。
何が言いたいのかというと、圧倒的なものに出会うと大きな感動と一緒に絶望も味わうということです。
『電子音楽 in JAPAN』(田中雄二)という本を読んだ後も甘くて苦い思いがカラダ中をかけめぐりました。この本は日本の電子音楽の歴史、いや世界の電子音楽の歴史について語り尽くした圧倒的な名著です。べつに吾輩には電子音楽の分野で何かを成し遂げてやろうといった野望はこれっぽっちもありませんが、どの世界にもこれくらい突き抜けた人がいるんだなぁと思うと、何もヤル気がしなくなってしまうのです。
この本の著者はYMOのメンバー3人それぞれにインタビューを行った『イエロー・マジック・オーケストラ』という本も手掛けているのですが、こっちもカルピスの原液よりも濃い内容になっています。実際このインタビュー本を読んでから、他のインタビューを読んでもちっともおもしろく感じなくなってしまいました。よっぽど新しい切り口がない限り、このインタビューを超えることはできないでしよう。
そんな絶望を感じたいMな人はぜひ読んでください。
田中氏にはぜひとも90年代以降の電子音楽や、パフュームなど歌謡曲・アイドル界における電子音楽の影響について語ってほしいものです。
posted by ichio : 23:47 | | trackback (0) | 2011年11月23日深化するトム・ウェイツ
トム・ウェイツがえらいことになってます! “イカす”オヤジは世の中にままいらっしゃり、“イカれた”オヤジも家でウンコを煮込む人を筆頭にチラホラお見受けしますが、“イカれていて、イカす”オヤジは、この人しかいないんじゃないでしょうか。
キャラクターだけでなく作品でも唯一無二の世界をつくりつづけている彼が、オリジナルアルバムとしては7年ぶりとなる『バッド・アズ・ミー』で、さらにディープな世界に突入。
今回は『リアル・ゴーン』で封印していたピアノが復活。デビユー以来描き続けている“夜の街”のイメージに、『ボーン・マシーン』から開拓しているジャンクな世界観とパーカッシヴなサウンドを合体させ、デビッド・リンチも真っ青なビザール・ワールドをつくりあげてしまいました。
これは偶然の産物ではなく、最初からねらっていたことが、スリーブにある写真からも分かります。ヘベレケなようで、この確信犯ぶりはまさに酔拳。60歳を超えてこの切れ味の鋭さ、スゴ過ぎです。
今作にはキース・リチャーズやレッチリのフリーなど、大物ゲストの参加が話題になっていますが、それよりも注目したいのがマーク・リボーのギター。彼は『レイン・ドッグ』以来、トム・ウェイツには欠かせない存在になっていますが(『ボーン・マシーン』には不参加でしたけど)、今回の演奏はその中でも特別な出来映え。この人、コステロやアート・リンゼイ、デヴィッド・シルヴィアンなどの作品でも絶品のプレイを聴かせてくれます。
そんな強烈な個性を全部飲み込んでオンリーワンの世界をつくりつづける毒マムシことトム・ウェイツからまだまだ目が離せません。