ドープだす

ヤバい…。古谷実の『シガテラ』がヤバいことになってます。近ごろは月9ドラマが面白かったり、有名店のラーメンが美味かったりするだけで「ヤバい」なんて言いますが、コレは本当にヤバいです。先日、仕事場をシェアしている先輩から3〜4巻を借りて読んだところ、吾輩の低いテンションが更に低くなる羽目に。1巻から前作『ヒミズ』のような展開になる気配はありましたが、予想以上にドープだす。話が一気に堕ちてゆく3巻から表紙のテイストもまるっきり変わっているのが不気味です。
普通のマンガ家なら同じような話を描いてもただのフィクションとして気楽に読めるのですが、古谷の作品は登場人物の設定、会話、表情すべてが異常にリアルで、知らず知らず作品に同化してしまい、はらわたをえぐり出されるような気分になってしまいます。この調子だと『ヒミズ』以上の結末が待っていることは間違いなく、そう考えただけでも暗くなってしまいます。でも、それを目撃したくてたまりません。
ちょっと前、夜中のテレビでヤミ金地獄にハマった人のドキュメンタリーをしていたのですが、これがかなり重かった…。ピラミッドの底辺でうごめく吾輩には、あのペダルのない自転車を1時間以上こいで通勤するオッサンの姿を他人事として見る余裕はありませんでした。