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2005年03月24日

宇宙の歩き方

050324.jpgまったくもって凄いディスク・ガイドが登場しました。その名は『電子音楽 in The Lost World』(田中雄二)。この本は2001年に刊行された『電子音楽 in JAPAN』(同氏)の副読本としてつくられたのですが、このコンセプトが示す通り星の数ほどある他のガイド本とは比べようのない濃ゆい内容になっています。「20世紀初頭から80年代までの電子的処理を多用してつくられたレコードを包括的に紹介した」という著者の言葉通り、その質と量は舌を巻く他ありません。
お馴染み&レコ屋で見たことのあるアルバムも紹介されていますが、ほとんどのブツは遊星からの物体X。知り合いに「ちょっと貸して」と手軽に借りられるようなものでもなく、また身銭をきって買うのもなかなか勇気が要るレコードばかりなので、ここで紹介されているほとんどのレコードは死ぬまで聴くことはないと思われます。しかし、そのことを知っていながらこのディスク・ガイドを購入し、ちまちま眺めるのは何故か。
それはレコード・ジャケットが皆とんでもなくイカすから。今のジャケットではありえないサイケ、ストレンジ、モンド、コズミック、エキゾチック、トンマなデザインを見つめていると、知らない間に自分だけの宇宙旅行or秘境探検に出発しているのです。という訳でこれはディスク・ガイドというよりも架空の旅行ガイドとして読んだ方がずっと楽しいでしょう。作り手もその辺のところはしっかりおさえていらっしゃるようで、全ページ・オールカラーなのがとことん嬉しい。
とは言いつつレコード好きの人間としてはこの辺のブツも集めたい気がするのも確か。しかし、昭和歌謡同様かなりディープな世界が待ち受けていることは間違いなく、手を出すのはかなりコワい。

posted by ichio : 00:56 | | trackback (0) |