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2005年08月07日

古くて新しい散歩術

050807.jpg吾輩、ブラブラ歩くのが好きで、街を散歩するだけでは飽きたらず、‘へんぴ’なところをほっつき歩く活動も展開しています。‘へんぴ’の定義は、「放し飼いの犬がいる」「その犬の顔が怖い」「中古車屋が多い」ところです。観光客はおろか隣町の人も寄らないところを一人トボトボ歩いていると、どこかにスリップしたようなポスト・ワビサビ的な感覚になってすごく気持ちいいんです。
『アース・ダイバー』(中沢新一)は、そんな散歩人の好奇心をくすぐる内容。今の東京地図と縄文地図を重ね合わせて歩き、地下深くに眠っている東京の歴史と現代の街並みとを結びつける様が実にスリリング。そもそも『アース・ダイバー』というタイトルを思いついた時点で、この企画の成功は約束されたんじゃないでしょうか。それくらい素晴らしいタイトルです。
縄文地図と持ち前の想像力を手がかりに東京〜帝都〜江戸〜古代へと潜り、この地に秘められたパワーを探る行為はまさに地球のダイバーそのもの。
この本に書かれている‘湿った土地’と‘乾いた土地’に群がる人の性質についてのくだりは、『悪党的思考』(これまた、面白い本です)にもつながっていて面白い。
小難しいことはよく分からんのですが、巷に溢れている街のガイド本に飽きた人には、新たな散歩の楽しみ方を見つけるきっかけとなる本ではないでしょうか。と、偉そうにおすすめしてしまいました。すみません。

posted by ichio : 11:04 | | trackback (0) |