ライ・クーダーはダサクない
ちょっと前に出たライ・クーダーの『チャベェス・ラヴィーン』を聴きました。当然のことながら内容はサイコー。ホンマこの人は駄作がない。
前作のテーマはキューバでしたが、今回はチカーノ。ライ・クーダーは昔からいろいろな国や地域の音楽を題材にしてきましたが、他のミュージシャンがよく批判される「ただのバクリやん」という声を聞いたことがない。やっぱりこれは、彼が取り上げる音楽に惚れ込んでいることが伝わってくるからでしょうか。デヴィッド・バーンがラテン音楽に接近した時はいろいろ手厳しいこと(というか、ほとんど言いがかり)を言われていましたが、彼が本当にラテン音楽にヤラれていることが分かると、そういう声もほとんどなくなりましたからね。
さて、『チャベェス・ラヴィーン』は、50〜60年前のロサンゼルスにあったスパニッシュ系の街に捧げられたオマージュになっています。この小さな街はドジャース・スタジアム建設のためにつぶされたらしい。
ここがどんなところだったのか吾輩はまったく知りませんが、ジャケットを見ながら音楽を聴いていると、自分だけの街の風景が浮かんできます。暑くて狭いところに人がウジャウジャいて、人の声やラジオの音、食べ物やゴミ、汗のにおいが混ざり合った濃ゆい空気の中で、ケンカしている人もいればすぐ隣でブチュ〜と抱き合っているアベックもいる。そんなゴッタ煮エリアだったんじゃないでしょうか。
長年クオリティの高い作品をつくり続けるライ・クーダーが凄いのは当然ですが、彼が所属するレーベル、ノンサッチも凄い。いやホント、このレーベルの作品はハズレなしです。ミュージシャンにとって理想的な環境を提供することで、素晴らしいミュージシャンがどんどん集まってくる。そして、リスナーも喜んでその作品を買う。まさにホリエモンの言うところの「WIN WIN」。
今月、ここからクロノス・クァルテットの新作が出るようですが、これも何だか凄そうです。