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2005年09月27日

『チャーリーとチョコレート工場』

050927.jpgデビュー以来、快作&怪作を連発してきたティム・バートンが『猿の惑星』で子供の運動会に出場したパパさんのようにズッコケてこのまま雇われ監督の道へ進むのかと思いきや、そんな吾輩の邪推をあざ笑うかのように『ビッグ・フィッシュ』で再び急上昇。そして今回の『チャーリーとチョコレート工場』でも絶好調ぶりを見せつけられることに。この作品は『シザー・ハンズ』meets『ビッグ・フィッシュ』的なバートン集大成とも言えるし、(マイコー・ジャクソン+マーティン・デニー)×ティム・バートンというレシピで出来上がるヘンテコ作品でもあります。オープニングでイマドキなCG映像を観た時は失敗作の匂いがしたのですが、話が進むにつれバートン・ワールドが炸裂。こんな摩訶不思議な興奮をおぼえたのはコーエン兄弟の『ビッグ・リボウスキ』以来かも。
でも、この映画が凄いのは、一見心あたたまるファンタジーのかたちをとりながら実はかなり意地悪なメタ・フィクションになっているところ。
詳しくは書きませんが、ジョニー・デップ演じるウィリー・ウォッカがあるフレーズを口ごもるところやウンパ・ルンパによるお歌の後のキッズのツッコミなんかは完全にご都合主義のハリウッド映画を皮肉っているし、何よりも型通りのパッピーエンドのふりして実は全然そうでない結末が巷に溢れるハートウォーミング・ムービーを馬鹿にしている。
これだけやりたい放題の作品をつくっておいて方々から評価され、それでいてメチャメチャ面白いのだからやっぱりティム・バートンは凄い。
ジョニー・デップや音楽のダニー・エルフマン等の凄い面々についても触れたいところなんですが、それはまた別の機会に。

posted by ichio : 00:25 | | trackback (0) |