KITSCH PAPER

HOME BOOK DAIRY MOVIE MUSIC ETC
Oh my Buddha!It is such a wonderful site that it's unbelievable.
2005年10月03日

細野晴臣のゴッタ煮精神

051003.jpgポップミュージック界のヨーダこと細野晴臣が少年時代から、はっぴいえんど〜YMO〜ソロ活動を振り返るインタビュー集『THE ENDLESS TALKING』が文庫本で復活。細野さんから発せられる一言ひと言にはギッシリ実が詰まっていてすこぶる面白い。「ミュージックステーション」でタモさん相手に偉そうなことをぬかしている調子ノリノリの自称アーティストとは説得力が違う。
昔のエピソードについての話も面白いのですが、この本では細野さんの興味の移り変わりに焦点が当てられているので、彼の頭の中を覗くような楽しさも味わうことができます。もちろんこの1冊でミュージック・マスターの全貌が見えるはずもなく、ますます深い森に迷い込んでしまうのがオチなんですけどね。ただひとつ理解できることは、彼がとんでもなく好奇心旺盛であること。そして、興味を持ったものを上手く自分の中に取り入れちゃうことです。
この柔軟な姿勢はみうらじゅんさんにも共通するものがあり、常に吾輩の指標となっています。みうらさんは一風変わった祭をとんまな祭と捉えて‘とんまつり’、嫌がらせとしか思えない土産物を‘いやげ物’と名付けて必死に好きになろうと努力していらっしゃる。細野さんも古今東西さまざまな音楽をミックスさせた自分の音楽をチャンコ鍋のようだということで‘チャンキーミュージック’と呼んでいました。イエローマジックオーケストラも、自分は黄色人種だから黒魔術でも白魔術でもなく黄魔術だということで付けられた名前。
この辺のゴッタ煮精神は『KITSCH PAPER』のお手本にさせて頂いています。この前、マイケル・ケインによる演技指導をまとめた本を読んだのですが、その中で彼は「自分の役に使えそうならマーロン・ブランドやデ・ニーロの演技を盗めばいい」と仰ってました。ケイン先生曰く「どうせ彼らも誰かから盗んでいるのだから」とのこと。吾輩はこの箇所を読んだ時、「よっしゃぁ、これからもバンバン盗んでやろう」と胸躍らせてしまいました。

posted by ichio : 23:25 | | trackback (0) |