想えば遠くに来たもんだ
カバーアルバムだった『スタジオ 150』から1年ぶり、オリジナルアルバムとしては3年ぶりとなるポール・ウェラーの新作『アズ・イズ・ナウ』が先日発売されました。3年ぶりといっても吾輩の中では‘待たされた感’はまったくなし。なぜなら我が家のターンテーブルにはほぼ毎日彼のディスクが乗っかっているから。
吾輩がどれだけ彼のファンかというと、美空ひばりの東京ドーム・コンサートを見る度にお化粧の混じった黒い涙を流すおばさんと同じくらいのファンです。髪の毛を切ってもらう時はもちろん恥ずかしげもなく「こんな感じにお願い!」とポール・ウェラーの写真を渡します。こんな微熱状態がかれこれ20年続いております。
さてさて、今回発売された『アズ・イズ・ナウ』は期待通りの充実作。『スタジオ 150』の延長線上のサウンドになるのは大体予測できましたが、別に目新しいことを追求するミュージシャンでもないので音楽さえよければ問題なし。音楽各誌はジャム〜スタカンへの回帰だと騒いでいますが、アルバム全体から受ける印象は最近の作品とたいして変わりません。ただ、『ヒーリオセントリック』を出した頃の堅苦しさが払拭され、完全にフッきれた音になっています。現在のこのポジションに辿り着いた直接のきっかけは『スタジオ 150』なのかも知れませんが、吾輩はその前に行ったアコースティック・ライブツアーが転換期になったと思っています。あの時に過去の曲を歌ったことで、改めて自分の音楽に自信を持つことが出来たんでしょう。
そういえばスタカンを解散させてポール・ウェラー・ムーブメントと名乗っていた時期、本国イギリスでは大学の体育館でライヴをするという屈辱的な体験もありました。(ライヴ中、バドミントンをしている学生もいたとか)でも、吾輩は彼のソロ・ファーストシングル『イントゥ・トゥモロー』を聴いた瞬間、絶対に復活してくれると確信しました。今回のアルバムを聴いて、本当にアニキを信じてここまで追いかけてきて良かったとしみじみ涙を流した次第です。