‘プリンス’と書いて‘殿下’と読む

プリンスはお好きですか？ 「YES」と答えた方にお訊きします。今のプリンスはお好きですか？ 吾輩は大好きです。天才の名を欲しいままにしていた80年代の時よりもずっと好きです。
雑誌などのレヴューでは、最近の作品にはかつての才気や革新性が感じられないというようなことがよく書かれていますが、吾輩はそんなこと全然気にならない。今の方が脂ぎった部分が抜け落ちた分、曲の良さが浮き彫りになっている気がして、実際『ブラック・アルバム』よりも『レインボー・チルドレン』や『ミュージコロジー』の方が断然好きだったりします。
そう言えば殿下は音楽だけでなく、キャラクターも薄くなりましたよね。ヘルシオでカラダを洗ったんじゃないかと思うくらい。吾輩が初めて殿下にお会いしたのは『パープル・レイン』を出した頃なんですが、あの時の衝撃はホンマに強烈でした。マイコー・ジャクソンがご陽気にスリラー踊ってる横で、トカゲのように裸で風呂場を這う姿を見せられた日にゃ、逃げるしかないでしょ。でも今じゃ、立場逆になってますね。
という訳で吾輩は長い間プリンスは聴かず嫌いでした。しかし、テレビで東京ドーム公演を見た時に電撃が走る。ピチピチの服に日本語で「ヌード」「人間」「愛」などと書かれた殿下の妖しいお姿を見て、完全に魅了されてしまいました。
その後、けったいなマークに変名された時期は遠ざかっていたのですが、‘プリンス’として再びシーンに帰ってきてからはまたまた殿下の行進（パレード）にお供させて頂いております。
殿下で思い出しましたが、一時期日本を興奮の坩堝に陥れたアリスガワノミヤ様とその奥方は今何をされているんでしょうか？