『グローイング・アップ・ライブ』
現在のポップミュージック・シーンで最高のアーティストの一人であるピーター・ガブリエルが、およそ10年ぶりに行ったライヴ・ツアーを収めたDVD『グローイング・アップ・ライブ』を鑑賞。王将は「美味い・安い・早い」が売りですが、PGは「上手い・凄い・面白い」非の打ちどころのない完璧なステージを展開。しかもこの人のライブは小難しくならず、見ているだけで楽しいエンタテイメント・ショーになっているところが凄い。緻密な音楽をやるミュージシャンってあんまりライヴが好きでない人が多いのに、PGの場合はライブが表現活動の中で重要なポジションを占めているところが興味深い。
今回の「グローイング・アップ・ツアー」は、前回「シークレット・ワールド・ツアー」の延長線上の世界観で、より洗練され、その完成度はまさに前人未踏の域に達しています。ステージ演出はこれまた前回から引き続き担当しているロベール・ルパージュ。彼は子供の頃にジェネシスのライヴを観て舞台演出家になることを決意したのだとか。それで実際に憧れのPGと仕事が出来るようになるなんてホント夢のようでしょうね。
さて、肝心のバンドメンバーはお馴染みのデビッド・ローズとトニー・レヴィン以外は全員新顔(何故か男性陣はPGを含め全員ツルッパゲ)。と言ってもそこは強者揃い、演奏にまったく綻びがない。そんな中でもやっぱりデビッド・ローズとトニー・レヴィンの個性とテクニックはダントツ。しかもハゲなのにカッコいい。
吾輩は「シークレット・ワールド・ツアー」の日本公演に行き、「こんな楽しくてカッコいいライヴがあるんや」と感動したのですが、その後に発売された同ツアーのビデオを観てビックリ。セットも演出も全然違う。輸送の都合上、日本ではどうしても本来のプログラムは出来ないようで、今回のツアーも日本公演は実現されず。
ところで日本のポップミュージック・シーンでPGのような音楽をやってる人っていませんね。いてもまったく売れないんでしょうな。ヨーロッパはまぁ置いといて、アメリカでもそうなのかなと思ったら大会場でも満員御礼状態。こういうところを見せられると懐の深さの違いを感じてしまいます。