KITSCH PAPER

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2005年12月25日

秘薬

051225.jpg皆さん、『陀羅尼助』ってご存じですか?真っ黒でちっちゃい球体がキュートな和漢胃腸薬なんですが、吾輩の実家では何にでも効く万能薬と崇められ、頭が痛い時でも「ダラちゃん飲んどいたら治るさかい」とオカンに手渡されていました。ひどい時は、スリ傷の時にも渡されたことがあります。
中学・高校の時、友達に陀羅尼助のことを話すと誰もが「そんなキモい薬、飲めるかぁ」と言うので、これは人に言いふらしてはならない秘薬なんだと思うようになりました。そして大学時代。暇を持て余しているいつものメンバーで毎日繰り広げられるミッドナイトトークは、いつしか‘自分だけが知っているよく効く薬’話に。みんなそれぞれ自慢の特効薬の効き具合を力説するのですが、吾輩は内心「そんなもん、まだまだ甘いわ!」と陀羅尼助を思い浮かべながら友達のプレゼンをせせら笑っていました。と、もう一人不敵な笑みを浮かべる男が。『KITSCH PAPER』1号・2号でも執筆してくたビトーちゃんである。うぬぬ、何やら凄いカードを持っているらしい。しかし吾輩には陀羅尼助がある。
満を持して吾輩が「ホンマ、これは胃痛にどうしようもなく効く薬なんやけどなぁ」と切り出す。するとビトーちゃんも「オレも胃腸に効く薬を知っている」とのたまう。おっと、ガチンコ勝負。「いやいや、俺のはそんなんちゃうねん」と威嚇する吾輩。「俺の薬飲んだら、絶対びっくりするで」相手もひるまない。ギャラリーと化した他の者たちは「俺もその薬飲んでみたい!」という表情を浮かべている。
よし、ここらでとどめをさしてやろう。そう思った吾輩は「言っとくけど、俺のは真っ黒の玉やで」と、必殺フレーズをブチ込む。「えっ」相手から驚きの声が漏れる。勝った…。勝利を確信した瞬間、ビトーちゃんから「それって、おさじですくうヤツ?」という驚きの言葉が返ってくる。確かに陀羅尼助は10粒ずつおさじですくって飲むのである。「もしかして…」この時、お互い自慢していた薬が陀羅尼助であったことに気付く。
早速、ビトーちゃんのマイ陀羅を見せてもらうと、吾輩の陀羅より心持ち大粒であることが分かる。同じ陀羅尼助といってもいろいろ産地があるようだ。しかしそんなことは関係ない。同じ陀羅ニストと分かっただけで、死闘の末に芽生える友情のようなものを感じたものである。
あっ、そうそう、右上の写真は陀羅尼助をつくっているところ。さすが伝説の秘薬、今時ウソみたいなつくり方ですよね。でも効くんですよ、これが。

posted by ichio : 23:55 | | trackback (0) |