リチャード・アシュクロフト新作をDROP
待ちに待ったリチャード・アシュクロフト4年ぶりのアルバム『キーズ・トゥ・ザ・ワールド』が発売されてから1ヶ月、繰り返し希代のメロディメイカーの新作を聴いております。
内容は期待通りの素晴らしい出来なんですが、前2作に比べて少しラフになった印象。お馴染みの大仰なストリングスアレンジと扇情的なセルフコーラスも若干抑え気味になっていて、ボーカルがより前面に打ち出されています。で、ご自慢の声はわざとそうしているのか、単なる酒ヤケなのかガラガラに。もともと鼻づまりっぽい声のところに、まったり歌われると一本調子に聞こえるところもチラホラ。吾輩としてはもう少し丁寧に(と言えば語弊がありますが)歌ってほしかった。
ボーカリストとしては不満が残るもののソングライターとしての冴えは相変わらずで、北斗百裂拳のように吾輩の秘孔をついくる。アシュクロフト本人は自分の才能をバカラックや果てはモーツァルトまでを引き合いに出しているようで、キャラとしてはかなりイタい。音楽雑誌なんかでは彼のことを「ロック界のカリスマ」とか「絶望感が云々」と、相変わらず文学青年崩れみたいなスタンスで訳の分からん記事を書き続けていますが、やっぱりこういう切り口がセールスに結びつくんですかね。