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2006年02月14日

勝ったのに…

060214.jpgマスコミでは人様の生き様を「勝ち組・負け組」と二元化する風潮が蔓延していますが、ホントに‘自分は勝ち組か?それとも負け組か?’なんて悩んでいる人っているんでしょうか。大体、何がどうなったら勝ちな訳?街の真ん中にある高層マンションに住んで下界を見下ろし、「見よユリア、これがサザンクロスだ」と悦に入ることが勝ちなんでしょうか。吾輩にはイマイチ分かりません。
勝ち負けがハッキリしているのは何と言ってもスポーツ!とい言いたいところですが、世の中そんなに単純ではありません。記録・獲得賞金からみれば誰がどう考えたって勝ち組なのに、どういう訳か負けのイメージがこびりついている人というのが存在するのです。その代表格がイワン・レンドルとイベンダー・ホリフィールド。
レンドルは80年代の男子テニス界を代表するプレイヤーで、4大大会の優勝は8回(歴代6位タイ)、生涯ランキング1位保持記録279週(歴代2位)という輝かしい成績をおさめているのに、印象に残っているのはマッケンローやコナーズなど華のある選手に負けて今にも泣きそうになっている顔、新鋭ボリス・ベッカーの強烈なサーブ&ボレーに呆然としている顔だったりします。目尻が下がり、焦点が合っていないあの顔を見ると、ライオンに首筋を咬まれたトムソンガゼルとだぶってしまいます。彼が最後まで王者の風格をまとえなかったのは、負けると「オレってどこまでダメなんだ…」と落ち込み、勝っても「あぁ、負けなくてよかった…」と思ってしまう精神構造のせいだったのではないかと勝手に想像しています。
ホリフィールドもレンドルに引けを取らないくらい負けのイメージがつきまとっています。4度もヘビー級タイトルを獲った偉大なチャンピオンなのに、どうしてだかタイソンの影にかくれた地味キャラから抜け出せませんでした。しまいには落ち目のタイソンに耳を食いちぎられる始末。あぁ、哀れ。しかも英雄フォアマンに「あんな汚い戦い方をするヤツはいない」と言われるラフな戦いぶりから、‘ボクシング史上最も尊敬されないチャンピオン’と揶揄されたこともしばしば。あぁ、いと悲し。
念のため言っときますが、この二人、とんでもない成功者です。

posted by ichio : 00:14 | | trackback (0) |