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2006年02月17日

クライスラービル

060217.jpg吾輩が住む京都には景観保護のため「五重塔より高い建物を建てたらあきまへん!」という決まりがあるため高層ビルというものが存在しません。(こんな決まりをつくっているわりに味のある建物がガンガン壊され、ガッカリするような和遊折衷の建物が次々建っています)日本って全国的にみても魅力的な高層ビルが少ないですよね。これは地震が多い地理的環境やフジヤマ・ゲイシャな美意識など様々な要素が合わさった結果なんでしょう。
それに較べニューヨークはビルの博物館。新旧バラエティに富んだビルがそびえ立つ摩天楼はホント圧巻です。そんなビル群の中でも吾輩のハートをワシ掴みにするのがクライスラービル。高さではエンパイアステイトビルに譲るもののその存在感は別格で、まさに街のシンボルといった感じ。とんがりコーンを連想させる頭頂部は皆さんご存知のことと思いますが、中層部にもワシの頭やマーキュリーのヘルメットなど男心をくすぐる装飾があったりします。しかし、このビルのホントの魅力は外観よりも内装にあるといってもいいくらいスンバラシイ代物なのであります。建築様式としてはアール・デコということになるんでしょうが、そんなちっぽけな範疇に収まらない魅力に溢れており、これはもうウィリアム・ヴァン・アレンという建築家の妄想のたまものと言っていいでしょう。(磯崎新の『建築談議〜クライスラービル』という本に載っている篠山紀信の写真が凄くいいので、興味のある方は是非ご覧ください)
吾輩にとってビルのどこが魅力的なのかといいますと、建物自体よりもその中で人や機械がうごめく様だったりします。ビルの中に存在する様々なものがある目的のために、或いは目的なしに日夜動いている。その光景を想像するとゾクゾクしてくるのです。
だから『タワー』なんてゲームは吾輩にとって直球ど真ん中のストライク。(吾輩自身も10年ほど前にアミューズメントパークを舞台にしたシュミレーションゲームの制作にピッチリ2年間携ったことがあり、一部とはいえ自分のテイストが注入された世界が実際に目の前に現れる快感を実感しました)
映画や小説でもビルを題材・仕掛け使っているものがちょこちょこあります。映画ではコーエン兄弟の『未来は今』、小説ではスティーヴン・ミルハウザーの『マーティン・ドレスラーの夢』なんかが面白い。そうそう、ビルではないですが小林恭二の『セウスガーデン衰亡史』も同じ仲間に入れたいですねぇ。
こんなこと書いてたら、ビルをテーマにした何かしらの作品をつくりたくなってきました。今年こそは一念発起してチャレンジしようかなぁ。

posted by ichio : 01:25 | | trackback (0) |