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2006年06月17日

名盤、地味に登場

060617.jpg何か、ひっそり出た感のあるポール・ウェラーのライヴ アルバム『キャッチ・フレイム』。別にケチをつけるつもりはありませんが、音楽雑誌はレッチリやプライマル・スクリームの新譜ばかり取り上げずに、この激渋アルバムにスペースを割いてもいいんじゃないでしょうか。いや、いずれUKロック史に残る名盤と言われるであろうこのアルバムを黙殺するのは罪ってもんです。そんなことをしでかす音楽雑誌の編集者はアナログ レコードを背負って、ゴルゴダの丘を登るべし。
『キャッチ・フレイム』は、『ライヴ・ウッド』『デイズ・オブ・スピード』につづくソロ3作目のライヴ盤で、3作のうちで最もハードなプレイを繰り広げています。普通、人は歳を重ねるごとに角がとれてマイルドになっていくものですが、この人には世の法則が当てはまらないみたい。ギター&ヴォーカルはひたすら激しく、リズムも直線的でグングン突っ走る。それでいてバラードは以前より深みが増していて、グッと心に響く。もう、そこら辺の若手バンドとは迫力と説得力が違います。終盤でスタカン時代の名曲『ロング・ホット・サマー』がはじまった時は、本当に涙が流れてしまいました。20年以上も前の曲を懐メロではなく、‘今の音’として鳴らすことのできるポール・ウェラーには、ミュージシャンという枠を飛び越えて、人として尊敬してしまいます。
少々入れ込み気味で、ロック・オタクの気持ち悪い一面が出たかも知れませんが、このアルバムはポール・ウェラーに思い入れがない人でも、彼の音楽を手軽に楽しめる内容になっています。流行りのバンドの後にでも、そっと聴いてくださいまし。きっと熱くなるはずです。

posted by ichio : 10:57 | | trackback (0) |