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2006年06月21日

今年はじめての映画館

060621.jpg今年はじめての劇場鑑賞。作品はスパイク・リーがメガフォンをとったクライムムービー『インサイド・マン』。今までいくつもの犯罪モノを撮ってきたスパイク・リーですが、今作はエンターテイメント色が強く、これまでの作品とはちょっと趣が異なる。そういう訳でなのか、レイトショーにも関わらず客席はほぼ満員。カップルがひしめき合う中、ひとりコーラをすすりながら次回公開予告のチラシを読む寂しさを噛みしめる。後ろの席に座ったカップルのアホ丸出しのクスクス笑いを聞くと、どうか帰りにジェイソンに襲われますようにと、心の底から願ってしまう。(まぁ、それよりも吾輩がオヤジ狩りに遭う確率の方がはるかに高いのですが)それにしても、どうしてバカップルは場内が暗くなると、意味もなく嬉しがるのか?
さて、肝心の映画ですが、ストーリーの詳しい話はやめておくことにして、この作品を観て最初に思ったのは、何でスパイク・リーが監督を引き受けたのかということ。ストーリーはありがちだし、つくりはモロにハリウッド仕様。作家性の強い彼が監督をする必要性が感じられない。映画会社にしてもルーチン作業的に任務を遂行する職人監督に任せた方が楽だろうに。とはいっても、さすがはスパイク・リー。世にあふれる量産型ムービーとは一線を画す見応えのなる映画になっています。
それに役者が上手い。主演のデイゼル・ワシントンをはじめ、クライヴ・オーウェンやウィレム・デフォーもいい味を出している。そんな中でもピカイチの存在感を放っているのがジョディ・フォスター。今回はイヤ〜な敏腕弁護士役をやっていて、こんな人と関わりたくないなぁとジワジワ思わせる、スルメイカ演技を披露しています。
スパイク・リーは前作の『25時』で作風が変わったと思っていたのですが、『インサイド・マン』でさらに遠いところへ来たような気がします。今作が異色作になるのか、それとも分岐作となるのか、次の作品が待ち遠しい。

posted by ichio : 00:10 | | trackback (0) |