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2006年09月28日

怖いのに笑ってしまう

060928.jpg東野圭吾の『殺人の門』を読む。ストーリーは、主人公の田島が20年にも渡り、同級生の倉持に人生をボロボロにされていくというもの。幸せを掴もうとする度に倉持が現れ、田島からすべてを奪っていく。このパターンが延々繰り返される。
最初は‘悲惨だなぁ’‘何でそうなるの?!’と思いながら読んでいたのですが、だんだん易々と倉持の誘いにのる主人公のアホさ加減が笑けてくる。最後の方なんて、ドリフの‘志村、うしろ〜!!’状態。
この小説を読んでいて思い出したのが、マーティン・スコセッシ×デ・ニーロの怪作『ケープ・フィヤー』。この作品もハラハラ、ドキドキするサイコ・サスペンスのはずなのに、どうしてだか笑ってしまう。というのも、ニック・ノルティ扮する弁護士がドンくさいだけでなく、何でこんな撮り方するの?と、首をかしげるトンマなシーンが随所にあるから。
スコセッシは単に怖い画が撮れなかっただけなのかも知れませんが、『殺人の門』はこの辺の乾いた笑いを意識的に入れているように思える。これって余程の自信がないとできませんよね。安っぽいパロディにならずに、サスペンスとしてしっかり読ます東野の実力に脱帽です。
ところで、吾輩も‘何でこうなるの?!’という出来事が多いタイプです。この前も、自宅の扇風機に殺されかかるし、CDショップの視聴プレイヤーが壊れていて希望とまったく違うアルバムを買う羽目になるし…。なかなかエキサイティングな日々を送っています。

posted by ichio : 22:32 | | trackback (0) |