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2007年06月15日

ケッチャムで泣く

070615.jpgんん〜ん、おぞましい。オッサンのイボ痔ではなく、ジャック・ケッチャムの『襲撃者の夜』のことです。
‘何もそこまでせんでも’と声が出てしまう、えげつない場面がワンサカ出てくるんです、これ。
この作品はケッチャムのデビュー作『オフシーズン』の続編で、皆殺しにされたと思われていた食人族に実は生き残りがいて、新たに家族をつくって暴れまくるというお話。
はい、間違いなくPTAのママさんに総スカンを喰らう代物です。故にすこぶるおもしろい。いや、コワい。
でも、母親が子どもを守ろうとするところなんか、そんじょそこらの‘泣ける小説’より感動するんです。吾輩は、母親がアタマに斧をブチ込まれるのを覚悟して食人族にタックルする場面で泣いてしまいました。いやぁ、女性は強い!それに比べ、男は何と弱くて情けない生き物か。
こんなにエグくて、コワくて、泣かせて、おもしろい小説を書けるケッチャム、ホント凄いです。

アメリカではつい最近まで彼の作品はごく少数のマニア本でしか読めなかったとか。それに比べ日本はコンスタントに文庫本が出ていますよね。本が売れない売れないといわれる中で、こんなカルト作家の作品が普通に売られている日本って、不思議な国です。

posted by ichio : 00:22 | | trackback (0) |