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2007年08月25日

心躍るディスクガイド

070824.jpg吾輩はいろいろなアルバムを紹介するディスクガイドが好きでして、新しいディスクガイドが本屋さんに置いてあるとすかさず立ち読みし、気に入れば購入します。
ディスクガイドを大別すると、情報量を売りにした「データベース型」と、編者のチョイスを売りにした「プライベート型」に分けることができるかと思います。
昔はデータベース型が多かったのですが、音楽の多様化・細分化が進み、1冊にまとめることが難しくなったため、最近ではプライベート型が大半を占める傾向に。
別にそのこと自体はいいんですが、首を傾げたくなる代物が多いんです。まず、本の内容と文章がマッチしていないものが目につく。データベース型は資料的な要素があるため、紹介文も客観的なスタンスが必要となりますが、プライベート型は編者の切り口を楽しむわけですから、入れ込んだ内容の文章にしなければなりません。そうでないと、ただの中身の薄いガイド本になってしまいますから。こんな当たり前のことが結構おさえられていないんですよね。名前は出しませんが、名のある編集者が手掛けているディスクガイドでもこういうのがあったりします。そんな中で、吾輩が気に入っているプライベート型のディスクガイドを2冊ご紹介しましょう。
1冊目はFARR氏と北浦知司氏が編集・ライティングを手掛けた『Bound for Everywhere』。この本は2人が設定したテーマ毎にさまざまなジャンルのアルバムがピックアップされていて、かなり楽しい内容になっています。それに音楽への愛が感じられるところもいい。ただ、すごく読みにくいレイアウトなのが残念。
そして2冊目が『スタジオボイス』の元編集長で音楽ライターの松山晋也氏が監修をつとめた『プログレのパースペクティヴ』。‘プログレ’というタイトルがついてますが、いわゆる70年代に流行ったプログレッシヴ・ロックではなく、革新的な音楽という意味合いでビートルズからマイルス・デイビス、エイフェックス・ツインまで幅広いジャンル〜アーティストの作品が集められています。純粋なプログレファンからは反感をかいそうなラインナップですが、吾輩にとっては知っているアルバムでも‘こういう見方もあるのかぁ’と、新たな発見のできる刺激的なディスクガイドです(表紙は野暮ったくていけませんが)。この本みたいなセンスで‘アンビエント’版をつくってほしいなぁ。いや、一度自分でつくってみたい。

posted by ichio : 00:33 | | trackback (0) |