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2007年12月21日

アンディ・サマーズ自伝

071221.jpgポリスのギタリスト、アンディ・サマーズの自伝『ポリス全調書』が、めでたく日本でも出版されました。
ファンでない人が読んでおもしろいかどうかは分かりませんが、少しでもポリスに興味のある人なら楽しく読むことができる好著です。(イギリスでは「ベスト・ミュージック・ブック」を受賞したとか)
ポリスといえばニューウェイブを代表するバンドですが、アンディ・サマーズはアニマルズに参加していたこともある、かなりオールドエイジなミュージシャン。だからタイトルは『ポリス全調書』となっていますが、半分以上はポリス加入前のエピソードで構成されていて、これがやたらおもしろい。
何しろ当時つるんでいたミュージシャンというのが、エリック・クラプトン、ソフトマシーンの面々、ジミ・ヘンドリックス、ロバート・フリップなど、いずれもロック史に名を残す強者ばかり。クリームのデビューアルバムでクラプトンが使ったレスポールは彼から譲り受けたものだったとか、ジミヘンの『ボールド・アズ・ラブ』を関係者以外で最初に聴いたのが彼だったというような楽しいエビソードが次々に出てきます。
アンディ・サマーズは一見気むずかしそうに見えますが、実際はかなり人なつっこい性格で、いろんな人と仲良くなる才能を持っている人のようです。しかもビートニクやヒッピーカルチャーの影響をもろに受けていて、ギタリストとしてのキャリアを捨ててアメリカで隠遁生活を送ったりしたことも。
そんな浮き沈みの激しいキャリアを送ってきた彼ですが、ずっと一貫しているのは自分のプレイスタイルを追求してきたこと。クラプトンやジミヘンがブレイクした時、多くのギタリストが彼らのスタイルを真似て売れてゆく中、彼は頑なに自分の好きなジャズやインド音楽などを取り入れたスタイルに磨きをかけていた。こういう芯の強い人を前にすると、ハハァーッと頭を下げてしまいます。
あと、序文にU2のエッジが寄稿しているのも何かジーンときます。U2といえば、ポリスの後を受け継ぐようにビッグになったイギリスのバンドで(U2は正確にはアイルランド出身ですが)、エッジはアンディ・サマーズと同じようにソロプレイではなくバッキングで個性を出すギタリストですからね。

さてさて、アンディ・サマーズはソロアルバムも数多く出しています。吾輩のオススメは、ロバート・フリップとの共作『心象表現』。これは傑作です。アンビエント色の強い『ミステリアス・バリケーズ』や『ゴールデン・ワイヤー』もかなりグッドです。この辺の作品はスティングのソロより、よっぽど聴いています。

posted by ichio : 01:23 | | trackback (0) |