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2008年01月27日

『28週後…』

080127.jpg※これからこの作品をご覧になる方は、ちょこっとだけご注意。
気分が悪くなる作品でした、『28週後…』。前作『28日後…』では走るゾンビ、血しぶきが顔面に降りかかる感染描写などゾッとする味つけを発明(走るゾンビはDNAレベルの恐怖感・嫌悪感をおぼえます)。でもラストはハッピーエンドで、青春映画としても観ることのできる仕上がりになっていました。
今回はそんな甘酸っぱいものを期待してはいけません。最初から最後までとことんブルーな気分にしてくれます。まず話の出だしからして異様。普通の作品ならロバート・カーライル演じる父親が頑張って家族を守り、絆を深めてめでたしめでたしとなるんですが、この作品はそうならないところからはじまります。そして、父親の行動が妙にリアルだったりしてさらにブルーな気分に。ラストも分かっちゃいるけど、やっぱりドンヨリした気分になってしまう。
でも、この作品がいちばんブルーにさせるのは、人が情に流された時にことごとく悲惨な結果を招くところ。結局はアホンダラ家族の話ですもんね、これ。こういう皮肉がきいているところはハリウッド産ホラーとひと味違うところ。
気分を悪くさせるのはストーリーだけではありません。揺れまくるカメラワークと細かいカット割りのおかげで間違いなく船酔い気分になります。これは臨場感を出すための流行りの手法なんですが、明らかにやり過ぎ。やっぱり映画は構図をキチンと決めて‘観客に見せる’ことを基本にしないと。案の定 本作の手ぶれシーンは、逃げる人の視点なか、襲うゾンビの視点なのかがはっきりせずイライラする。その点ロメロ先生は『ランド・オブ・ザ・デッド』でもしっかりおさえていらっしゃいました。
で、結局のところ『28週後…』はどうなの?といいますと、めちゃめちゃコワいです。
そうそう、ヒロイン役のイモージェン・ブーツ、間違いなくブレイクします。

posted by ichio : 20:11 | | trackback (0) |