KITSCH PAPER

HOME BOOK DAIRY MOVIE MUSIC ETC
Oh my Buddha!It is such a wonderful site that it's unbelievable.
2008年02月27日

エロの敵は誰だ?

080227.jpg実はこの5年ほどエロ本を買ったことがありません。AVビデオやDVDもただの1本たりとも所有していません。
この客観的な数字を見れば、吾輩が日本の男性の中でかなりのジェントルマンに位置していることがお分かりいただけるでしょう。
そうです、吾輩を変態呼ばわりする皆さん、あなたの方が確実にやらしいんです!
そんな汚れを知らない天使のような吾輩ですから、現在誰が人気女優なのか、どんな流行り企画があるのかまったく知りません。
いくらなんでもこれでは社会人として恥ずかしいので、仕方なく『エロの敵』(安田理央、雨宮まみ)という本でお勉強することにしました。
吾輩はイヤイヤながらもたまに書店やコンビニのエロ本コーナー、レンタルDVD店のエロ棚をチェックしている努力の人なので、大まかな動向は何となく感じとっていました。しかし、この本を読んで‘なるほど、そうだったのか!’と膝を打つこと数知れず。ホント、タメになりました。

今のエロ業界を乱暴にまとめると、ネットの出現によってエロにお金を出す殿方が激減し、さらにエロにお金を出す人の趣向が多様化・細分化したため、採算がとれなくなってきている状態といえるでしょう。
さらにユーザーの絶対数が減少する反面、作品のクオリティーはひと昔前では考えられないような高いものが求められ、制作者は八方ふさがりな状況に陥っています。
こういう状況だから制作サイドは売れる作品を作らざるを得ず、自ずとユーザーの意見を重視した作品が大半を占めるようになります。しかし、ユーザーの意見を多く取り入れた作品が素晴らしいAVになるかというと必ずしもそうではありません。逆に画一化された没個性な作品になってしまうケースが多々あります。
最近のレンタル物はユーザーのニーズを突き詰めた実用主義に走っています。つまりストーリーやシチュエーションはそっちのけで、ただひたすら発射するためのシーンがブツ切りで収録されているのです。この傾向は‘エロとはシチュエーションなり’と考える吾輩にとってはエロ心の退化にしか思えません。
何の脈絡もなくいきなり男女が絡み合う、これのどこにエロチシズムがあるの?
そのくせプレイ自体には様々な要望があるようで、最近では男優の姿や声が極力入らないようにすることがお約束になっています。(まったくこれじゃ、我らが鷹アニィの出番はないじゃないの!)これは見る者が感情移入するためなんですが、それと相反するように先ほど申し上げましたプレイする場を取り巻く世界観がスッポリ抜け落ちているんですよね。
これは男のエロ心が動物化していることを意味しているんじゃないでしょうか。実際、妄想が入る余地がない見たまんまの映像が求められるため、プレイはどんどん激しくなっています。
女性の方に分かりやすく説明すると(えっ、とっくに読むのやめてる?)、ソースをかけずにフランス料理をバクバク頬ばる男のようなものです。こんな品というか知性のない男とデートするのはイヤでしょ。
本のタイトルになっている『エロの敵』とは何なのか?
それは決してひつに絞ることはできませんが、想像力を欠いたエロ心も大きな敵になっているんじゃないでしょうか。
最後にもう一度いっておきますが、吾輩はこの5年間エロ本を買ったことがありません。そしてAVビデオ・DVDもただの1本たりとも所有していません。

posted by ichio : 00:15 | | trackback (0) |