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2008年06月27日

リチャード・D・ジェイムスの笑顔

080628.jpg大学時代から約15年、住みかは変われど吾輩の部屋にはずっとエイフェックス・ツイン〜リチャード・D・ジェイムスのポスターが貼られていて、お客さまがいらっしゃると彼が素敵な笑顔で迎えてくれます。
エイフェックス・ツインを知らない人がこのポスターを見ると、決まって一瞬不可解な表情を浮かべた後、何もなかったように完全無視を決め込みます。親戚のおばちゃんが来た時は、某カルト宗教団体の首領を思わすルックスのせいで、やけに心配された覚えがあります。
そんな冷遇に堪え忍んだおかげで、このたびついにパネル化して玄関に飾られることになりました!
提案をしたのは吾輩ではなく つれ合い。15年間強制的に見せ続けられたせいで、今ではなくてはならない存在になってしまったのだとか。人のことはいえませんが、つくづく変わったお方です。
このことがきっかけなのかどうかは分かりませんが、吾輩 最近夜中にちょこちょこエイフェックス・ツインを聴いています。『アイ・ケア・ビコーズ・ユー・ドゥ』や『リチャード・D・ジェイムス』のブチぎれ具合も大好きですが、やっぱり『アンビエント・ワークス』『アンビエント・ワークスvol2』という愛想もくそもないタイトルがついた2枚は別格。今聴いても天才を感じます。
この人ってあまりにもドリルンベースのインパクトが強かったせいか、先鋭的でブッとんだ音楽をつくる人だと思われがちですが、実はどの曲も根底にはシンプルで力強いメロディがある。吾輩は彼を優れたメロディーメーカーだと思っています。その特性が最もストレートに現れているのがアンビエント・ワークスというワケです。
そういう意味では目下エイフェックス・ツインの最新作(といっても もう7年前ですが)である『ドラックス』は残念な作品でした。このアルバムでも得意のドリルンベースが多く収録されているのですが、その中に彼独特のメロディが感じられない。それに世の中に彼を真似た人たちが氾濫してしまったせいでまったく新鮮味が感じられなくなっていました。チープな言い方をすると、時代がエイフェックス・ツインに追いついたということでしょう。そしてそれは彼がはじめて聴き手の予想範囲内の音楽を出してしまったことも意味しています。
吾輩としては、アグレッシヴな曲の合間に入っているピアノ曲だけでアルバムを埋め尽くしてほしかった。聴き手の予想を裏切るという点でもいけてるし、彼のメロディーメーカーとしての才能をあらためて確認できる機会でもあったのに。

posted by ichio : 01:06 | | trackback (0) |