KITSCH PAPER

HOME BOOK DAIRY MOVIE MUSIC ETC
Oh my Buddha!It is such a wonderful site that it's unbelievable.
2008年07月29日

ノスタルジーとの出会い

080729.jpg時々まったく馴染みのない風景にノスタルジーを感じることがありますが、あれは何なんでしょう。
昭和初期の街なみやのどかな田園風景なんかを見ると‘あの頃は良かったなぁ’としみじみしてしまいますが、もちろんそんな時代 吾輩は影も形もありませんし、バリバリの街中育ちです。
こうやって考えると、自分と直接関わりがなくても、失われたものや失われつつあるものにノスタルジーを感じるのかもしれません。
じゃあ、澁谷征司の『BIRTH』という写真集はどう考えればいいんでしょう。
ここに収められている写真は何の変哲もない外国のオフィスやスタジオ、閑散とした町や自然の風景ばかりなのに強烈なノスタルジーが漂っているんです。別に失われたものでも失われつつあるものでもありません。
ここでしばし頭を空っぽにして(もともと空っぽですが)イメージの海を泳いでみる。
すると、これらの写真には独特の空気感が刻み込まれていて、それが自分の中で失われつつある感覚と結びついていることが分かってきました。
勿体ぶった言い方になってしまいましたが、要するに写真を見ていて‘あぁ、最近のんびりと時間を過ごしていないなぁ’‘情報にがんじがらめになっているなぁ’と感じたりするってことです。こういう気づきって、まさにタイトルになっている‘BIRTH’ですよね。
こんなふうに暮らしのテンポを改めて考えさせてくれるきっかけはそうそうありません。中にはそれを躍起になって探している人もいますが。吾輩は澁谷征司という写真家のことはまったく知りませんが、本屋さんで彼の写真を見た時、とても大切なものに出会った気がして迷わず手に入れました。というのはウソでして、5000円もするので2カ月以上悩みに悩んだ末購入。こういうセコさ、何とかならんもんですかねぇ。

posted by ichio : 00:48 | | trackback (0) |