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2008年10月08日

MAD!

081008.jpg8月はじめからの地味〜な忙しさのせいで精神がやられているのか、知らないうちにオスカー・フィッシンガーのDVDを買っていました。
この人は今からおよそ70〜80年前に実験的なアニメーションをつくっていた映像作家で、作品の大半は丸や四角が消えたり現れたり変形したりする抽象的なものです。
作品はどれも短い時間なんですが、確実に脳の奥を刺激してきます。フィッシンガーが創作活動をしていた時代は‘サイケ’という言葉はなかったでしょうから、当時の人たち(ごく一部の人でしょうけど)は この映像をどう捉えていたのでしょうかね。
この作風を見ると‘いけないクスリでイッちゃってる?’と思ってしまいますが、吾輩はフィッシンガーが偏頭痛持ちだったんじゃないかなぁとにらんでいます。というのは、偏頭痛持ちの方ならお分かりになると思いますが、症状がやって来る時に目蓋を押さえると飛び交う赤・青・緑のドットがそのまんま映像化された作品があるからです。

さて、こういう昔の映像を観ていつも思うのが、音楽がどうもシックリ来ないこと。このDVDに収められている作品も然り。そらまぁ、この時代にはロックもテクノもまだ影も形もないからしょうがないんですが…。
音楽にイライラしてきたのでもとの音をオフにして、自分でBGMを流そうとした時、驚くことに気づきました。何と、アニメーションが音楽と同期しているじゃありませんか!
今でこそコンピューターで簡単にできますが、この時代にこれをやっちゃうとは、なかなかマッドなお方です。
それはそうと、フィッシンガーの作品で頻繁に登場する円運動が人を魅了するのって、やっぱり宇宙の根っこに関連してるからでしょうか? ビッグバーンは放射状に広がっていったでしょうし、星の形も球体です。渦や波紋だって円を描きます。それに生物の目も。やっぱり何か関係あるでしょう。
彼の作風はその後、曼陀羅的な世界観を取り入れたホイットニー兄弟やジョーダン・ベルソンに受け継がれ、進化していくことになります。
ホイットニー兄弟の作品集も欲しいのですが、出てるんですかね? それにしても、こんな映像が動画サイトで簡単に観られるって、いやはやすごい時代です。

posted by ichio : 22:54 | | trackback (0) |