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2009年01月14日

M/Dの聴きはじめ

090114.jpg今年の抱負のひとつ「マイルス・デイビスを中心にじっくりジャズを聴いてみる」を実践するために、最近中年の尿漏れのようにチョロチョロ M/Dのアルバムを聴いています。
もともと吾輩はM/Dの熱心なファンではなく、持っているアルバムも代表作といわれるものばかりで、しかも結構な歯抜け状態。そもそもジャズ自体そう熱心に聴き込んだことがない。
ジャズっていうと今でも小難しくて敷居が高いイメージが抜けなくて、こわいオジサンから‘お前なんかジャズを聴く資格なし!’と怒られそうな気がするんですよね。
よく雑誌なんかで‘ジャズを気軽に聴いてみよう’みたいな切口の特集がありますが、やっぱり身構えてしまう。なので、もう開き直って、身構えたまま聴いてやろうという気持ちになりました。で、誰から聴こうかと考えたところ、帝王ことM/Dのイカつい顔が浮かんだというワケです。

そんなプレッシャーを受けながら聴きはじめたのですが、今回改めて『カインド・オブ・ブルー』の素晴らしさを実感しました。このアルバムの凄さは、1曲目「ソー・ホワット」の出だしに凝縮されているといってもいいでしよう。ビル・エバンスのピアノが静かに鳴りはじめ、絶妙のタイミングでM/Dのトランペットが入ってくる。この瞬間、確実に音の爆発が起こっています。それは、ロックのダイナマイト的な爆発とは違う、カラダの芯を燃やす青白い炎がつく感じです。これは、吾輩が今まで聴いた音楽の中でもっともパワーを感じた瞬間と言ってもいいくらい。
ヴァン・モリソンの『アストラル・ウィークス』も同じような熱を持っていますが、こっちはパチッパチッと燃える焚き火で、爆発はしない。
『カインド・オブ・ブルー』は2曲目以降も薄いガラスのように繊細なんだけれど、うちに秘めたアグレッシブさ溢れる演奏が繰り広げられます。特にビル・エバンスとジョン・コルトレーンのプレイが冴え渡る「ソー・ホワット」と「ブルー・イン・グリーン」は極上モノ。要するにモード奏法を体得した強者が火花を散らせているというワケです。ってエラそうにモード奏法なんて書きましたが、耳で聴いて‘モードっぽい’と思うくらいにしか分かっていません。でも、この2曲が他の収録曲と違う雰囲気を持っているのは間違いありません。
はぁ〜、イキって書くと肩が凝りますね。でも、たまにイキると気持ちに張りがでますね。
実は今、『イン・ア・サイレント・ウェイ』をかけているのですが、今までこんなにカッコいいとは気づきませんでした。どちらかというと『オン・ザ・コーナー』や『ビッチェズ・ブリュー』のかげに隠れがちな作品なのに。これは、また別に機会に取り上げたいと思います。

posted by ichio : 00:14 | | trackback (0) |