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2009年02月01日

悪魔の沼にズブズブ

090201.jpg好きな人はみんな知っている、そうでない人は恐らく一生目にすることのない、トビー・フーパーの怪作『悪魔の沼』の廉価版DVDがついに発売されました。1〜2年前『悪魔のいけにえ』と一緒にDVD化されたのですが、お値段の方が5000円と高く、セコビッチの異名を持つ吾輩はいつか廉価版が出ると信じてじっと息を潜めて待っておりました。
だからして、廉価版の発売日は自転車をブッ飛ばして先述の2作を買いに行きました。実は吾輩、今まで『悪魔の沼』を観たことがなくて半端じゃないくらい期待度は高まっていました。この日ばかりは仕事も早々に片づけ、おチビが寝てくれてることを切に祈りながら帰宅。(こんな映画、3歳の子どもに見せるワケにはいきません)寝室をのぞくと、日頃の行いが良いおかげでおチビはグッスリ夢の中。安心して再生ボタンを押す。
‘悪沼’の内容はというと、田舎町のボロモーテルの主人が宿泊客を大釜で襲い、裏の沼で飼っているワニのエサにするという動物愛あふれるお話です。
いやはや怪作といわれるだけに、すべてにおいて微妙な塩梅。まず、殺人鬼と人食いワニという恐怖のW攻撃で、怖さも2倍になっているかというと、まったくそんなことはない。どちらかというと笑けてくる。(しかもモーテルの主人が大学時代からの友だちに似ていて、さらに笑いを誘う)何か、豪華な食材を見たら何でもかんでもキャビアをのせてしまう胡散臭いシェフとダブルような気もします。
そして『悪魔のいけにえ』はざらついた感触でとことんリアリティを追求した作風だったのに対して、‘悪沼’はまるでドリフのコントのようなセットでキッチュな演技が繰り広げられている。ハマー映画のオマージュといえなくもないのですが、ただのC級映画のようにも見えるなかなか奥深い作品でした。この魅力、しばらく癖になりそうです。
しかしトビー・フーパーって、『悪魔のいけにえ』以降の作品を観ると、この作品が彼の中でもいかに異色で、奇跡の1作だったということが分かりますね。

posted by ichio : 02:11 | | trackback (0) |