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2009年02月05日

クローネンバーグが凄い

090205.jpg何だ、この濃さは!デヴィッド・クローネンバーグの『イースタン・プロミス』にビビリました。オープニングの床屋のシーンからラストまでヒリヒリする緊張感が漂っている、ちょっと尋常じゃない映画です。これを観たらスコセッシの後はこの人にまかせておけばいいなという気持ちになりました。
正直なところ吾輩のクローネンバーグの印象はずっと‘アテントな監督’でした。おもしろい映画を撮るんですが、いつも‘あとちょっと’という残尿感があるんですよね。そんな気持ち悪い状態が続き、『イグジステンズ』を観たときには‘もうこの人の映画は観なくていいかな’と思いました。
ところが次に撮ったのがパトリック・マグラア原作の『スパイダー』ときたもんだから観るしかない。まったく期待しないで観たら、やっぱりおもしろくなかったのですが、今までのグニョグニョウネウネなクローネンバーグ節がなりを潜め、必要なシーンだけをきっちり描くソリッドな作風に変わっていることに驚きを感じました。そして前作『ヒストリー・オブ・バイオレンス』をステップ台にして『イースタン・プロミス』で新たな境地に辿り着くことに成功したんじゃないでしょうか。
ストーリーは一見分かりやすいのですが、よくよく考えるとどこに向かって進んでいるのか分からなくなる厄介な代物。ただ途中から男臭さがムンムンになってきて、観る者を惹きつけることだけは間違いありません。

クローネンバーグのテーマといえば‘ふたつの顔’。彼の作品は、人とハエ、男と女、ノーマルとアブノーマル、現実と非現実など、いつもふたつの世界を行き交いする話が描かれています。『戦慄の絆』ではモロに同じ顔をした双子が出てきましたしね。『イースタン・プロミス』もやっぱり、ふたつの顔を持つ人たちの話でした。
ケレン味はなくなりましたが、ところどころにクローネンバーグ印といえる生々しいシーンもあったりしてニヤッとさせられます。その極めつけがヴィゴ・モーテンセンのチ○コ丸出し格闘シーン。そらまぁ、あのシチュエーションならケツの間からチ○コも見えますわなぁ。でも何で同じチ○コなのに、ヴィゴ珍はカッコ良く見えるのでしょうか。吾輩も‘嗚呼、ピューマ!’と叫ばれるようなチ○コオーナーになりたいです。

posted by ichio : 23:45 | | trackback (0) |