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2009年04月17日

マイルス、自分を語る

090417.JPG今年の抱負に‘マイルス・デイビスをじっくり聴く’‘タレント本を読む’と掲げまして、中途半端に実行しています。で、一石二鳥のアイテムが『マイルス・デイビス自叙伝』。オモロイとは聞いていましたが、ウワサに違わぬ内容でページをめくるのが止まらない。
とにかく情報量が尋常ではなく、有名ジャズメンをはじめ数えきれないくらいの人が登場します。資料を見ながら喋っているか、後から作家さんが補足したんでしょうが、それにしても並の記憶力じゃない。エピソードのひとつひとつが強烈なので、忘れようにも忘れられないのかもしれませんが。
田舎町から出てきて憧れのチャーリー・パーカーとクルマに乗った時、真横でガールフレンドとのフェ◯チオを見せつけられた話や、一時引退していた頃のクスリ・酒・女まみれの生活ぶりなど、濃すぎる話が盛りだくさん。(途中からやたら‘尻の調子が悪い’と連呼されているのもインパクト強)当時のジャズメンって、ワルぶってるロケンローラーなんか相手にならないくらいメチャメチャな人な多かったんですね。

話はかわりますが、昨日大阪で実際に目にした中でモスト・ビューチフルといえる美人さん(スタイルもバツグン)に出くわしました。今は同じヒト科ホモサピエンスにカテゴライズされてますが、たぶんこの人と吾輩は進化の過程で別物に枝分かれするんだろうなと思いました。

話はもどりまして、この本を読んで強く感じたのは、マイルス・デイビスという人がかなり分裂的な人格だということ。自分が求める音楽を鳴らすためにストイックに取り組む姿、他人を素直に評価する姿、ドラッグや酒に溺れてどうしようもない生活を送る姿、オレさま世界一思考で他人に対して高圧的な姿、神経質でナイーブな姿などが複雑に混ざり合っていて、とても一人の話とは思えなくなってきます。
またそれを語っているのもマイルス自身であって、さらに自分を語っている自分に対してコメントなんかもしてるんです。『ムーたち』(榎本俊二)というマンガで、自分自身を何層にも俯瞰することを「セカンド自分」「サード自分」なんていってましたが、マイルスは「フォース自分」までいっちゃってるんじゃないでしょうか。

ところで永遠の名盤と誉れ高い『カインド・オブ・ブルー』、自分では失敗だそうです。

posted by ichio : 23:38 | | trackback (0) |