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2009年04月25日

ブレてない ゆらゆら帝国

090425.jpgこの2週間、子どもが入院したり(無事退院しました)、夫婦そろってインフルエンザにかかったり、もう大変。『Mr.Boo!ギャンブル大将』の広川太一郎の言葉を借りると、‘一難去って、これ何なん?!’という心境でした。いやはや、健康ってホンマに素晴らしい。

そんなワケでちょい前の話題になるのですが、久々にイカすロックが聴きたくなって、仕事帰りにタワレコへ。ベックの新しいアルバムを試聴したら良かったのでレジへ持っていこうと思ったのですが、やっぱりやめて、ゆらゆら帝国の『空洞です』に。結構新しいアルバムだと思っていたら、発売されたのはもう2年前。前作の『SWEET SPOT』が出たのが去年くらいに思っていたのでビックリ。40近くになると時間の感覚もだいぶユルくなってきます。
『空洞です』、タイトルからしてすごいです。ミック・ジャガーが大口開けてシャウトしても、ジョニー・ロットンが‘アイ・アム・アンチ・クライスト’と唾を吐いても、野外フェスでラブ&ピースな振りをしても、ひと言‘空洞です’といわれたら、いい返す言葉がありません。
しかもサウンドもハンパない強度を誇っている。日本のロックってほとんど聴かないのですが、吾輩の知る限りそうそうある類の音じゃありません。世界的にみてもピカイチのオリジナリティだと思います。
無駄な音をとことんそぎ落とし、バンド名の通りトレモロを多用したゆらゆら揺らぐサウンドは、聴く者の時間感覚を麻痺させてしまう。
歌詞もひと言ひと言、これしかないという言葉が絞り出されていて、心にズンと響いてきます。2曲目「できない」で‘笑顔で最高っていえるか?’と問われ、‘そんな無邪気な時代は終わったさ’と、オトナな言い訳がポツリとこぼれ出る。でも9曲目「ひとりぼっちの人工衛星」で泣きました。
『空洞です』、傑作です。

posted by ichio : 02:00 | | trackback (0) |