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2009年05月23日

マスクの時代

090524.jpg新型インフルエンザの影響で街中マスクだらけ。(ホントにマスクが不足しているようで、花粉用と思われるプリティな絵柄の入ったマスクをしている人や、明らかに顔面とマスクの大きさの比率がおかしい子ども用のマスクをしている人を見かけました)
そういえば、80年代前後の映画もマスクをしている人が多かったですね。『ハロウィン』のマイク・マイヤーズに『13日の金曜日』のジェイソン・ボーヒーズといった悪役だけでなく、バットマンなどのマスクマンヒーローも復活しました。
それが90年代になるとマスクマンはすっかり姿を消し、『羊たちの沈黙』のレクターや『セブン』のジョン・ドゥのようなサイコキラーがスクリーンを独占。中身はどうでもいいから、取りあえずサイコを出しとけ!という空気が蔓延していた時期がありました。
さて、マスクマンとサイコキラーの違いをひと言でいうと、バカとかしこ。マスクマンは本能のおもむくまま手当たりしだいに獲物をブッ殺し(セックスしているバカップルを狙う傾向はありますが)、時には反撃を喰らって痛い目にあう。一方サイコキラーは優れた知力を持ち、自分なりの目的意識を持って必要最小限の手間で殺しを遂行する。
また、マスクマンはひと目見ただけで普通じゃないと分かるのに対して、サイコキラーの多くは普通に社会生活を営んでいたりする。要は80年代のホラー映画は非日常的なお祭りムードがあふれていたということ。それが90年代に入るとリアルで暗いトーンに変わっていきました。マスクマンからサイコキラーへ流れを変えたレクターが、『羊たちの沈黙』でチョロっと拘束用のマスクをしていたのは偶然ではないでしょう
しかしここにきてまた、マスクマンが復活しているのです。『ハロウィン』『13日の金曜日』だけでなく、マスクマンの元祖レザーフェイスが登場する『悪魔のいけにえ』もリメイクされました。さらにバットマンも新シリーズになって登場。
昔はマスクをした人間が殺しまくるシチュエーションっていうのは虚構の中での話で、こっちも安心して観ることができたのですが、今となっては充分にあり得ることになっている。その状況が怖いです。

posted by ichio : 23:13 | | trackback (0) |