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2009年06月24日

毒書

090624.jpgここ一週間仕事がヒマ気味だったので、何冊か本を読む。村上春樹の新作『IQ84』も気になっているのですが、今この話題作に飛びつくのも何か恥ずかしい気がしてスルー。(吾輩が何の本を買おうが、だ〜れも気にしちゃいないのは分かっていますが…。『石立鉄男 オフロ DE アフロダンス』というタイトルなら一日くらいは店員さんにおぼえてもらえるかもしれませんが、残念ながらそんな本はこの世に存在していません)
そういうワケで『IQ84』は見送ったものの村上春樹を読みたいという気分は残っていたので、彼が地下鉄サリン事件の被害者62人にインタビューをした『アンダーグラウンド』を読むことに。(吾輩のようなシャイネスボーイは結構いらっしゃるようでようで、書店には必ずといってよいほど村上春樹の過去の作品コーナーがあります)
インタビューは事件のことだけではなく、被害者の事件前後の暮らしもクローズアップしていて、サリン事件とそれを生み出した社会がどれだけ恐ろしいかを浮き彫りにしています。村上春樹らしく、正義を振りかざしてオウム真理教を叩くものでもお涙頂戴の本でもありませんが(もちろん事件を肯定しているワケではありません)、それでもやはり最後に収められている30代前半で命を失ってしまった方の家族の話は涙なしでは読めません。
また読み物としても、被害者が話す断片的なエピソードが重なり合って全体像が見えてくる臨場感があります。
そんな『アンダーグラウンド』を読み終わり、次はつれ合いが図書館から借りてきたものを拝借しようと思って見てみたら、どういうワケか『ヤクザ・マネー』という本が。何に関心を示してるんでしょうか。 このタイトルを見てビンと来た、つれ合いの脳内の電気作用を想像すると笑けてきます。いやはや、知り合って15年以上になりますが、いまだに意表をつかれます。

posted by ichio : 21:56 | | trackback (0) |