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2009年07月19日

パンツを履かない男の生き様

090719.jpg前からずっと気になっていた『俺、勝新太郎』を、やっとこさ読む。いろいろなところで傑作といわれ、さらに帯でも‘ギャングスタ芸能人、勝新の俺節を聴け!’なんてそそるフレーズが書いてあるもんだから期待も最高潮に高まっていたのですが、思っていたよりも随分まともで肩すかしを喰らう。実際に本人が筆を執っているのかは知りませんが、文章がうまいせいで勝新が放つアドレナリンパワーをスケールダウンさせてしまっているような気がします。(でもまぁ、やってることはメチャメチャです)
勝新本人はギャングスタ芸能人だと思いますが、この本はオーバープロデュース。これなら、内田‘シェケナベイベェ〜’裕也の『俺はロッキンローラー』の方がおもしろい。
そして解説で古田豪が書いているように、世間を唖然とさせたマリファナ・パンツ隠し事件をはじめとするおもしろエピソードについてほとんど触れられていないのがすこぶる残念。編集者は続編を考えてセーブしたのか、それとも勝新が自粛したのか。いずれにしてももったいない。
それでもこの本を読むと、豪快なイメージのある勝新が、自分のことを後輩がどう思っているのか気になって、隠しマイクを仕込んで盗み聞きするなど気の弱い一面もあったことが分かって楽しい。(何をしとんねん!)
よく‘自分とは180度違う人’なんて言い方をしますが、自分に当てはめたら、それは勝新です。
そして、改めて昭和って、おもしろい人がいっぱいいたんだなぁと実感。すっかり吊し上げ社会になってしまった今、勝新や横山やすしが生きていたら、さぞかし嘆いていたことでしょう。
それにしても表紙の写真、渋すぎます。

posted by ichio : 01:34 | | trackback (0) |