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2009年09月01日

人間のサガ

090901.jpgある日のこと。仕事の帰り夜道を歩いていたら、前方に20代中頃で、後ろ姿を見る限りキレイな雰囲気の女性が立っていることに気づきました。携帯で話をしているワケでも、コンタクトレンズがズレたワケでもなさそうな様子。結構遅い時間で、人通りも少ないところで女の人が一人突っ立っているのはちょっとおかしい。どうしたんだろ?と何となく不思議に思いながら、その人を追い抜かそうとテール・トゥ・ノーズ状態になったその時、‘ビチッ、ブリリリリ〜、プゥ〜〜ブッスゥ〜〜’という破裂&持続音が鳴り響く。
音の正体は本能的に分かったのですが、‘こんな場所で、このタイミングで、しかもキレイな女性からそんなものが放射されるワケがない’という固定概念によって、一瞬ワケが分からない状態に陥りました。が、しかしそれはやはり、紛れもなくオナラでした。女性は吾輩の存在に気づかず、お腹に溜まりきっていたガスをひり出したのです。
年季の入ったジェントルマンであればすぐさま方向転換し、女性が気づかないままその場を立ち去るのでしょうが、吾輩にそのような機転がきく筈もありません。プチパニックになってしまい、そのままオナラウーマンを追い抜いてしまいました。はじめて吾輩の存在に気づいた女性は、‘わぁ!’と悲鳴を上げ、つづけざま‘イヤだぁ〜’と大声を轟かせました。
すると、前方の四つ角から4人ほどの男女グループが‘どうした?!’という感じで現れました。
完全にややこしい状況です。今の感じでは、誰がどう見ても吾輩は100%怪しい男です。‘天地神明に誓って私はやってない!’と、かつてのミラーマンのように叫びかけましたが、さらに疑わしくなるのでグッとこらえ、事の成り行きを見ることにしました。
どうやら男女グルーブはオナラウーマンの友だちで、彼女がオナラをこぐということで待機していた模様。彼たちはすぐさま状況を理解して爆笑しています。
最悪な展開にはならなかったものの、居心地の悪い状況であることには変わりありません。後ろには強烈なオナラを見知らぬ男に聞かれて今にも崩れ落ちそうな女性、前方には爆笑するその友だち。しかも友だちは笑いも一段落して、全員の視線が吾輩に集中しているのが皮膚感覚で分かる。明らかに‘何か、おもろいリアクションしてや’という空気。いくつかコメントが浮かんだものの、会心の出来ではなく、また彼らのツボにハマるとも限らない。目の前でオナラをされ、その上スベって惨めな思いをするなどたまったものではありません。しかし、このまま黙って立ち去るのも能がない。切羽詰まった吾輩は最後の手段を用いることにしました。
男女グループの真横まで素知らぬ顔で歩き、彼らから‘何や、リアクションなしかいな’というオーラが出た瞬間、吾輩も腸に溜まったガスを一気に噴射。先ほどのオナラウーマンのような迫力はありませんでしたが、何とか音は鳴り、彼らの爆笑をとることはできました。やれやれです。
…しかし何でこんなことをしなければならないのか、自分でも理解に苦しみます。

posted by ichio : 21:41 | | trackback (0) |