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2009年09月04日

枯れたらファンキーになったYMO

090904.jpg今、‘枯れた味わい’といえば、YMOのことをいうんじゃないでしょうか。昔はトンガりまくって、世界の音楽シーンの先端を走っていた彼らが、21世紀に入りHASをきっかけに集まってからはテクノポップ、アンビエント、エロクトロニカというカテゴリーではくくれない(けど、どの要素もある)、妙に心地の良いオジントロニカを展開。音楽だけでなく3人の関係も和んでいて、すごくいい感じになっています。
そんな彼らが、マッシヴ・アタックがキュレーターを務めた「メルトダウン・フェスティバル」に出演した時のライブを収めたDVD『POSTYMO』を鑑賞。先にCDが出ていたのですが、こちらはあえて買わず、このDVDに楽しみを集中させていました。サポートメンバーはスティールギター〜高田蓮、ホーン&ブログラミング〜権藤和彦、そしてギター〜フェネスという布陣。基本的にはパシフィコ横浜で行われたライブと同じコンセプトの音づくり。
期待が高まる中プレイボタンを押すと、ステージを真正面から捉えた愛想もくそもないショットが映し出される。ややっ?! これはどうしようもなくチープな出来では?!という不安がよぎる。実際、カメラが少ないせいかアングルのバリエーションも少なく、昨今のライブ映像を見慣れた目には物足りなさを感じるかも知れません。
さらに演奏しているメンバーの手元や、このフレーズの時はこの人を映してよという所謂ファンのツボもことごとくハズして、顔のアップばかりを映し出したりしています。でも怒ってはいけません。カメラマンはきっとメンバーがミュージシャンではない何か別のものにヘンゲしていることに気づいたのです。
その証拠に、教授は首をカクカク動かすゼンマイ仕掛けの人形、高橋さんは仏像、細野さんはお地蔵さんにしか見えません。もちろんこれはサイコーの賛辞です。黙々と楽器を弾くお三方は本当にカッコよく、特に高橋さんの表情が素晴らしい。
さて、肝心の演奏の方は横浜でのライブよりも格段に弾んでいて、中盤からはスライの密室系ファンクみたいになっています。メロディーはコンピューターにまかせて、3人はひたすらリズムを刻んでいるので、これは意図的なものでしょう。特に細野&高橋のリズム隊が素晴らしく、楽器を弾きながら寝ちゃうんじゃないのという雰囲気なのに強烈なグルーヴを出しています。このDVDを見て、高橋さんのドラムの凄さを今までにないくらい感じました。
いやホント、今のYMOはいいです。是非ともアルバムを作ってほしい。

posted by ichio : 00:02 | | trackback (0) |