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2009年11月06日

成熟について考えてみる

091106.jpg10月にむかえた誕生日で四十路にリーチがかかってしまいました。感覚としては大学を卒業して数年しか経っていない感じなのですが、いくら数えても39になってしまうということは、やっぱり39歳なんでしょう。精神年齢的には中2からほとんど進歩しておらず、こんな人間が所帯を持っていることに自分でも笑けてきます。
周りを見渡すと、吾輩より年下の人が立派な社会人顔をしていて、バリバリ仕事をしていたりする。そういう姿を見ると、自分はいつ、どこからアウトサイダーの道を歩みだしたのだろうと考えてしまいます。

でも、吾輩とは違う本物のアウトサイダーは歳とともにアウトサイダーとしての年輪を刻むもの。ジム・オルークとデヴィッド・シルヴィアンのそれぞれの新作『ザ・ヴィジター』『マナフォン』を聴いて、それを強く感じました。
作風は違えど、どちらも美しくていろいろなことを想像させてくれる素晴らしい作品。『ザ・ヴィジター』は約40分におよぶインスト曲が1曲だけおさめられていて、ジム・オルーク自身がギターだけでなくピアノ、ドラム、ストリングス、ホーンなどさまざまな楽器を一人で演奏しているという気合いの入りよう。音もすこぶる良く、夜中にヘッドフォンで消えては現れ、現れては消える蜃気楼のような曲を聴いていると、この世に存在しないストレンジな空間へ連れていかれます。
『マナフォン』は前作『プレミッシュ』をさらに深化させたもの。フェネス、エヴァン・パーカー、ジョン・ティルバリー、大友良英などの強者が奏でた音をトリートメントして曲にまとめたという感じで、音のひとつひとつ、デヴィシルの歌声ひとつひとつが聴く者のカラダにツーンと響き、しみ込む。ジャケットの絵のように、深い森に迷い込んだような空気感が張りつめています。
2作とも今まで積み重ねてきたものが肥やしになっている。それに比べ、こっちは何と薄っぺらいことか。でもまぁ、このままスーパーフラットなおっさんとして生きるのもいいんじゃないかと思ったりします。

posted by ichio : 01:52 | | trackback (0) |