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2010年01月23日

きっとあるパラダイス

100123.jpgパラダイスというものが本当にありはしないかと最近真剣に考えます。
天国ではなくパラダイスです。天国というと悟りをひらいた人が行くところで、どうも退屈そうな感じがして住む気になれません。そこにくるとパラダイスは俗世とつながっていて、自分の欲望を存分に満たしてくれると思うのです。
お金や将来の不安もなく、年がら年中心地良く過ごせる。お腹が減ってキッチンに行けば、聖帝サウザーの食卓のように大好きなハンバーグやちょっと冷めたカレー、すき焼きの後に食べるうどんが用意されていて、食後にはイチゴタルトが出てくる。音楽が聴きたいと思えば、その時の気分にピッタリの音楽が流れてくる。そして当然のことながら、まわりにはプレミアム級の美女が吾輩を取り囲みます。これぞパラダイス。でもまぁ、こんなところにいたらアホになってしまう気もしますが、まったく構いません。
しかし、そういうところはなかなか見つからないもので、仕方なく架空のパラダイスにお邪魔して束の間の現実逃避を楽しむことになるワケです。
そのサポートをしてくれるブツのひとつが、伊藤桂司さんの作品集『FUTURE DAYS』。ここに収められている作品は、海外のいろいろな雑誌を切り抜きコラージュしたもの。いかにも能天気なリゾートの写真とゼリーの写真などありえないものを合体させることで、甘いだけでなく、ちょっと毒がある摩訶不思議な世界を作り上げています。この感触を例えるなら、女のコにモテモテの夢を見ている最中に、‘これは夢だぞ、調子にのるな’というセルフツッコミが入るあの感覚と似ています。それが吾輩のパラダイス観と結びついて惹かれているんじゃないかと思います。
伊藤氏はコラージュだけでなくペインティングでも独自の世界を追い求めている人。この世界に一度迷い込んだら、なかなか抜け出せません。

posted by ichio : 01:08 | | trackback (0) |