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2010年01月30日

真にすごいのはどっち?

100130.jpg‘セナとシューマッハ、速いのはどっち?’‘ライオンとトラ、強いのはどっち?’‘梅宮辰夫と松方弘樹、抱かれるならどっち?’‘淡谷センセと美輪センセ、声のレロレロ度が激しいのはどっち?’
人には相まみえることのない強者を比べ、頂点に立つものを決めたがるサガがあります。それは聖者と崇められる吾輩でさえ例外ではありません。
クラッシュの『カット・ザ・クラップ』とデビッド・ボウイの『ネヴァー・レット・ミー・ダウン』、真にしょうもないアルバムはどちらか? 吾輩はそこんところがどうしても知りたい。おそらくほとんどの人がそう思っているのではないでしょうか。
どちらのアルバムについても以前このブログで書いているので詳しいことは申しませんが、どちらもどんなに性格がいい人でも‘聴いた時間を返せ!’と怒鳴りたくなる突き抜けた出来栄えです。クオリティ自体もさることながら、このアルバムがロックを代表するアーティストによって作られたというのが驚きです。
パンクの良心ジョー・ストラマーは、パンクのエナジーとペナペナの打ち込みの融合に取り組んだ『カット〜』を、どうかオレのディスコグラフィに入れないでくれと嘆願していたとか。
一方『ネヴァー〜』は、ボウイがかつて放っていたカリスマ性をポピュラリティに変え、その燃えカスで作った作品。‘とつふぜんおとふずれてへぇ〜’と、霊に取り憑かれたような声で日本語の歌詞を歌う「ガールズ」は、涙なしには聴けません。
音楽的にはどちらも聴かれることを拒否する、ある意味アナーキーさを備えている。その昔、クソアルバムとこき下ろされたルー・リードの『メタル・マシーン・ミュージック』なんて甘っちょろい。このアルバム、今では傑作なんていわれていますもんね。おそらく先の2作は間違ってもそんなことにはならないパワーを持っています。
次はビジュアル面。アップした画像は『ネヴァー〜』のジャケ。見ての通り徹頭徹尾ダサいです。『カット〜』のジャケはモヒカン頭のパンクロッカーがストリート感あふれるイラストで描かれていて、ちょっとカッコいい。
ということで『ネヴァー〜』が真の駄作ということにしたいところなんですが、世の中そう単純ではありません。
よく『ネヴァー〜』のジャケを見てください。あまりのダサさに愛着をおぼえませんか。そう、人は本能的にあか抜けないものに惹かれるのです。『ネヴァー〜』に比べると『カット〜』はそういうかわいげがない。よって真の駄作はクラッシュの『カット・ザ・クラップ』に決定です。

posted by ichio : 00:52 | | trackback (0) |