KITSCH PAPER

HOME BOOK DAIRY MOVIE MUSIC ETC
Oh my Buddha!It is such a wonderful site that it's unbelievable.
2010年02月05日

土着ポップ

100205.jpg先日、家族で木下大サーカスに行ってきました。サーカスというと楽しさの裏側に哀愁やちょっと怖い雰囲気が漂っている感じがして、個人的には真夜中にピエロが獲物を求めてうごめくといったB級ホラーなイメージが染みついています。
木下大サーカスは世界3大サーカスのひとつというだけあってそういう妖しさはなく、健全で完成されたエンターテイメントショーでした。名前が木下だけに、同じ顔をした木下さん一族がウンパ・ルンパみたいにゾロゾロ出てくることを期待していたのですが、実際は外国人も多くコスモポリタンな世界がくり広げられていました。
しかし中盤、ジャパニーズ感あふれる演目が強引にはさみ込まれ、土着臭がプゥ〜ンとしてきた時は別の意味でワクワクしました。頭では洗練を目指しているのにカラダの内側から湧き出る土着テイスト。この混ざり具合というか混ざらなさ具合が刺激的でした。

ジャンルは異なりますが、そんなストレンジ&キッチュな魅力を発散する決定版といえるのが、60年代後半から70年代前半にシンガポールでヒットした歌謡曲を集めた『シンガポール・ゴー・ゴー』というアルバム。ジャケットを見れば分かる通り、アジアンモンドがフルスロットルで炸裂しています。一応、欧米のポップミュージックを手本にしてつくられた最新流行歌だったのでしょが、ビリビリ感電しそうなファズギターと東南アジア独特の節で歌われるボーカルが合わさった結果、哀しいかな目指したものと真逆の代物になってしまっています。
ですが、この湧き立つ土着臭がすばらしく、1曲目から深いサイケデリックな世界につれていかれます。最近のポップスはカタにはまっていておもしろくないと嘆いている方は、ぜひこのアルバムを体験してください。きっとクセになるはず。
しかしよく考えたら、日本の歌謡曲も外国の人にしてみたらかなりけったいに聞こえるんでしょうね。日本の自意識過剰なアーティストたちの曲も現代の民族音楽としてとらえたら、新たな魅力を発見できるのかも知れません。

posted by ichio : 00:10 | | trackback (0) |