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2010年06月30日

教授〜アウトバーン〜トラベル

100630.jpgここ数ヶ月の楽しみといえば、坂本教授がナビゲートをつとめる音楽番組「スコラ」を観ること。その影響で坂本〜YMOブームがおこり、その流れでクラフトワーク ブームも到来。特に『アウトバーン』にハマり、取り憑かれたように夜中に何回も聴いていました。
話はちょっと戻り、「スコラ」を観ようとチャンネルをエヌエイチケイに合わせたら、いきなり脳髄を刺激するビジュアルが飛び込んできました。それは横山祐一の「わたしは時間を描いている」という展覧会の紹介でした。マンガ家でありイラストレーターでもある横山氏、フランスなど海外で高い評価を得ていらっしゃるそうなのですが、マンガにとんと疎い吾輩はまったく存じ上げませんでした。
テレビで取り上げられていたのは『トラベル』という作品で、その絵を見た瞬間、吾輩の頭に『アウトバーン』がバーン!と浮かびました。
まず、シュールでそこはかとなく漂うユーモアがCOOL! 定規を駆使して描いたという絵は、クラフトワークのグルーヴ感を排除した機械的なリズムと重なります。個性をなくすことで逆に個性をつくり出すという狙いも似ている。
また『トラベル』はセリフがひとつもなく、登場人物が列車に乗って、目的地に着くまでの時間を描くというかなりチャレンジングなことをしているとのこと。この設定は、言わずもがなです。
ということで、さっそく『トラベル』を読む、というか眺めてみました。
期待通り、すごいトリップ感です! 視点が主人公らしき3人衆をはじめ、すれ違う乗客、列車の上空を飛ぶ鳥、線路脇に生えている草など、さまざまなものに憑依しながら、のびたり縮んだりする歪んだ時間を描いています。それは、時計が刻む外的な時間ではなく、意識の中に流れる内的時間。
こういう設定をいかにもSFチックな設定で描くのではなく、ごくごく平凡な日常を切り取って描くところも『アウトバーン』と同じといえるでしょう。
このマンガを見たら、電車で旅がしたくなること間違いナシです。

posted by ichio : 22:27 | | trackback (0) |