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2010年09月08日

音の聴こえ方〜オーネット・コールマン

100908.jpg自宅のラックに並びながらも、ここ数年1回もチョイスされたことのない悲しいCDやレコードって結構あるものです。恨まれるのもイヤなので、‘いま聴いたら案外イケるかも’というアルバムを探してみたところ、オーネット・コールマンの『ダンシング・ユア・ヘッド』が目に留まりました。このアルバムは完全にジャケ買いで、オーネット・コールマンという名前やフリージャズという言葉に憧れもあってレジへ持っていった記憶があります。音の方も変わっていておもしろいと感じたものの、聴くのにパワーがいるので、自然と視界から消えてました。
聴かない間にかなり発酵していたようで、久々にプレイしてみたところ、すごくカッコ良くなってました。とはいってもそこはオーネット・コールマンの音楽、神経に引っかかるような違和感があり、スムーズに聴き流せるものではありません。が、調子っぱずれに聴こえる音の中にしっかりとしたグルーヴがあることを発見し、そこからソニック・ユースのリーダー、サーストン・ムーアの『サイキック・ハーツ』を思い出しました。
このアルバムも『ダンシング〜』と同じように、何年もラックに埋もれていた盤。何か心の奥がムズムズしてきて、急いで『サイキック〜』をプレイ。すると、まったくジャンルの異なる2つの作品に同じグルーヴが流れているではありませんか。木で出来た四角い車輪がギッコンバッタンと回っているような感じといえば伝わるでしょうか。ズレのせいで首が振られ、お尻も打ちつけられるのに、それがだんだん気持ち良くなってくるんです。この2人、リズムの人だったんですね。彼らのサックスやギターは、このリズムに乗ってこそ活きてくる。ノイズをリズムで刻んでいるんじゃなかったんです。そう思うと、自分の中にあったオーネット・コールマン像がガラリと変わり、音の聴こえ方も違ってくるから不思議です。
こうやって1人で盛り上がっているのが、日曜日の朝5時半。最近、この時間帯が自分だけの憩いのひと時になっています。

posted by ichio : 23:10 | | trackback (0) |